研究課題/領域番号 |
16209032
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北村 俊雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)
|
研究分担者 |
野阪 哲哉 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30218309)
中島 秀明 東京大学, 医科学研究所, 特任助教授 (30217723)
川島 敏行 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10306839)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
48,490千円 (直接経費: 37,300千円、間接経費: 11,190千円)
2006年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
2005年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
2004年度: 20,670千円 (直接経費: 15,900千円、間接経費: 4,770千円)
|
キーワード | 転写因子 / 細胞分化 / 細胞分裂 / G蛋白質 / サイトキネシス / 核移行アッセイ / STAT3 / STAT5 / インポーチン / Rac1 / 細胞質分裂 / GAP / RhoA / STAT / 低分子量G蛋白質 / 転写 / GAP蛋白質 |
研究概要 |
本研究ではSTAT3およびSTAT5活性化とRhoファミリー低分子量G蛋白質のクロストークについて調べた。平成16-17年度に、STAT3およびSTAT5の核移行にRac1が必須であることをRac1ノックアウトの繊維芽細胞などを利用して証明したが、詳細な分子メカニズムは不明であった。平成18年度は生化学的手法を使ってこの分子メカニズムを明らかにした。昆虫細胞で産生した組換え型蛋白質を利用して、STAT3およびSTAT5の核移行アッセイを確立した。核移行アッセイで、リン酸化されたSTAT315の核移行には、活性型Rac1、MgcRacGAPおよびインポーチンαとβが必須であることが判明した。興味深いことにSTAT3/5、Rac1、MgcRacGAP複合体はRac1が活性型のときのみインポーチンαに結合する。この結果は、STAT315とインポーチンαの結合と解離にMgcRacGAPが深く関わっていることを示している(Kawashima et al.J Cell Biol,2006)。我々は、MgcRacGAPに核移行シグナルが存在することも見いだした。この結果はSTAT3/5が活性化されると、MgcRacGAPおよびRac1との複合体形成が誘導され、核内に移行できるようになること、このときMgcRacGAP/Rac1が核シャペロンとして働くことを示すことによって、典型的な核移行シグナルを有さないSTAT3/5が核移行する分子メカニズムを明らかにした。また、IL-3依存性Ba/F3において、MgcRacGAPあるいはRac1をノックダウンすると、STAT3/5の核移行は完全に阻害されたが、同時にSTATのリン酸化も弱くなった。これらの結果はMgcRacGAPとRac1がSTAT3/5の核移行のみではなく、細胞膜への移行と活性化にも関与していることを示唆している。
|