研究課題/領域番号 |
16209036
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
岡安 隆一 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, グループリーダー (50356135)
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研究分担者 |
山田 滋 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター病院, 医長 (80311380)
安藤 興一 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター・粒子線生物研究グループ, 特別上席研究員 (00159526)
窪田 宣雄 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (20046139)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
46,540千円 (直接経費: 35,800千円、間接経費: 10,740千円)
2007年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2006年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2005年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2004年度: 14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
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キーワード | 放射線増感剤 / HSP90阻害剤 / 17AAG / DNA DSB 修復 / 相同組み換え修復 / BRCA2 / siRNA / Rad51 / Homologous recombination repair / 放射線増感材 / DNA DSB修復 / 17-AAG / 放射線抵抗性 / non-homologous end joining / DNA-PKcs / アポトーシス / 癌細胞 / 正常細胞 / 非相同末端結合 / RNA干渉 / DNA ligase IV |
研究概要 |
本研究は放射線治療の基礎・改良に関する2つの大きな目標を遂行し、4年間で17の原著論文発表等多くの成果を挙げてきた。目標ごとに成果の概要を述べる。 1「正常細胞に比べ癌細胞に高い親和性を示す、Hsp90蛋白の阻害剤(geldanamycin, 17-AAG)を用いて、放射線増感を計る」この課題では主に17AAGの増感剤としての有用性を、細胞レベル、動物レベルで証明した。人前立腺癌、肺癌細胞では確実にX線による増感が起こるが、人正常細胞では増感が見られなかった。癌細胞での増感の原因は17AAGによるDNA二重鎖切断修復の阻害であること、2つの代表的な修復系のうち、相同組換え修復が特に影響を受けていること、修復蛋白のうちBRCA2,Rad51の関与が大きいことが示された。(論文の例:Noguchi et al 2006) 2「放射線損傷修復機構のうち細胞周期のS後期、G2に選択的に働くHomologous recombination repair(HRR)の抑制により活発に成長しているがん細胞を放射線で特異的に攻撃する」この課題では、最近のRNA干渉技術を用い、HRR関連の代表的蛋白であるBRCA2の蛋白抑制に成功し、それをガン細胞に導入することで、細胞レベル、動物レベルでの放射線増感に成功した。機構的には、BRCA2のsmall interference RNA(siRNA)が、HRR修復系のみを阻害し、他の修復系(例えば非相同末端結合)には影響しないことも示された。(論文:Yu et al 2008) これらの戦略はX線のみならず、重粒子線との併用でも有効さが最近示され、臨床応用への展望が期待されるとともに、より有効な放射線増感剤を探る研究は継続している。
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