研究課題
基盤研究(A)
本研究では、細胞のストレス反応を分子レベルで解明すること、麻酔関連薬物によるストレス反応修飾を検討すること、麻酔関連薬物によって発現量が変化する遺伝子の同定することを目標として研究を行い、以下の結果を得た。1.ラットにおける開腹刺激により誘発される血漿ノルアドレナリン濃度上昇はCRF-1受容体拮抗薬によって抑制された。すなわち、中枢神経系にはCRF-1受容体を介して手術侵襲に対する交感神経反応を抑制する経路が存在することが示唆された。2.周術期に使用する麻酔関連薬物がプロオピオメラノコルチン(POMC)遺伝子発現に及ぼす影響について、POMCプロモーターとルシフェラーゼ遺伝子を連結したDNAを導入された下垂体腫瘍細胞株(AtT20PL)を使用して検討した。その結果、Caチャネル拮抗薬と局所麻酔薬はいずれもCRHによるPOMC遺伝子発現を増強することが明らかになった。3.揮発性麻酔薬イソフルランは大脳皮質におけるセロトニン放出を抑制し、イソフルランの鎮静作用に関与する可能性がある。一方、亜酸化窒素は脊髄におけるセロトニン放出を増加させ、脊髄レベルでの鎮痛作用に関与する可能性があることが示唆された。さらに、ノシセプチン受容体ノックアウトマウスを用いた検討により、ノシセプチン受容体は揮発性麻酔薬の麻酔作用には関与しないが、亜酸化窒素の鎮痛作用に関与することが示唆された。4.Hypoxia-inducible factor (HIF-1)を介する低酸素による遺伝子発現変化に対する各種薬物の作用を検討した。血管拡張薬ニトロプルシドナトリウムと静脈麻酔薬プロポフォールは、低酸素によるHIF-1活性化を抑制することが明らかになった。5.Tリンパ球にモルヒネが作用することによって発現量が変化する遺伝子を同定し、アポトーシス関連遺伝子発現が増加することが明らかになった。
すべて 2007 2006 2005 2004 その他
すべて 雑誌論文 (61件) 図書 (3件)
Region. Anesth. Pain Med. 32
ページ: 60-66
Eur. J. Pharmacol. 558
ページ: 1-6
Anesth. Analg. 104
ページ: 836-839
J. Anesth. (印刷中)
Regional Anesthesia and Pain Medicine 32(1)
European Journal of Pharmacology 558(1)
Anesthesia and Analgesia 104(4)
Am. J. Physiol. Cell Physiol. 291
J. Anesth. 20
ページ: 188-195
Anesth. Analg. 102
ページ: 1073-1078
Can.J.Anaesth. 53
ページ: 242-249
ページ: 78-85
Anesth. Analg. 103
ページ: 738-741
10019287248
Auesth. Analg. 102
ページ: 1703-1708
Can. J. Anaesth. 53
10019167476
Anesthesia and Analgesia 103(3)
J. Anesth. 19
ページ: 54-59
Brain Res. 1044
ページ: 107-115
Acta Anaesthesiol. Scand. 49
ページ: 771-773
Life Sci. 77
ページ: 858-868
ページ: 93-101
Circ. J. 69
ページ: 1412-1417
ページ: 263-265
10014428726
J Anesth. 19
10014428952
110002703904
J. Anesth. 19(3)
10016650659
Journal of Anesthesia 19
Brain Research 1044
Acta Anaesthesiologica Scandinavica 49
Acta Anaesth Scand (発表予定)
J.Biol. Chem. 279
ページ: 2550-2558
J. Anesth. 18
ページ: 203-209
FEBS Lett. 577
ページ: 434-438
Biochem. Biophys. Res. Commun. 324
ページ: 417-423
ページ: 41521-41528
Biochem. Pharmacol. 67
ページ: 1185-1193
J. Biol. Chem. 279
10013429158
Biochem Biophys Res Commun 324
J. Anesth. (in press)
10019812394
Journal of Anesthesia (印刷中)