研究課題/領域番号 |
16209051
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大野 重昭 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (50002382)
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研究分担者 |
吉田 和彦 北海道大学病院, 講師 (90281807)
南場 研一 北海道大学, 大学院医学研究科, 助手 (70333599)
水木 信久 横浜市立大学, 医学部, 教授 (90336579)
猪子 秀俊 (猪子 英俊) 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
小野江 和則 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40002117)
田川 義継 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40109426)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
50,310千円 (直接経費: 38,700千円、間接経費: 11,610千円)
2006年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2005年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2004年度: 25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
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キーワード | 難治性内眼炎 / ぶどう膜炎 / マイクロサテライト / Pooled DNA / 酸化ストレス / 多型microsatellite / pooled DNA法 / ベーチェット病 / 原田病 / 一酸化窒素 / エンドトキシン / アロニア抽出物 / フコキサンチン / エンドトキシ / コキサンチン / 顆粒球吸着カラム |
研究概要 |
ベーチェット病や原田病などを含む内因性難治性内眼炎は原因の不明なものが多く、その正しい診断や治療には多くの困難がある。また、その発症原因には遺伝的要因と外的要因が複雑に絡み合っている。本研究では難治性内眼炎の遺伝的要因を分子遺伝学的に分析するとともに、免疫薬理学的研究によって従来とは異なる新たな失明予防策の展開を試みた。 その結果、ベーチェット病では第1染色体から第22染色体、さらにはX, Y染色体上に23、465個のマイクロサテライトマーカーを置き、全ゲノム検索を実行してきた。現在はその0.63%に相当する147個にまで相関が絞り込まれてきており、近い将来ベーチェット病に関する疾患感受性遺伝子が世界ではじめて複数個、新たに検出されることが強く期待される。また、日本人に多発する原田病では従来の第6染色体短腕上に位置するHLA-DR領域だけではなく、第6染色体長腕上にも密接に相関する遺伝因子を新たに見出した。現在はこれら遺伝子の生物学的機能解析を継続中である。原田病はメラノサイト特異的自己免疫疾患であり、その分子遺伝学的発症機序が解明されれば、他の自己免疫疾患の発症機序を理解するうえでも大きな助けとなる。 一方、これらの難治性内眼炎では前房水、血中などので酸化窒素濃度が高値を示し、これらの抑制によって著明な抗炎症効果が得られることが見いだされた。その抗酸化作用は例えば北方系植物のハスカップ租抽出物に高い力価が見られ、投与量依存的に炎症が抑制された。また、顆粒球吸着カラムによる免疫調整治療によって、ベーチェット病の失明に直結しやすい網膜ぶどう膜炎の再発発作回数が有意に抑制されることが明らかにされた。この顆粒球吸着カラム治療は難治性内眼炎の発症後5年以上の症例ではとくに臨床効果が高いことも示された。
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