研究分担者 |
池邊 一典 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (70273696)
小林 博 新潟大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (00225533)
赤川 安正 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (00127599)
石上 友彦 日本大学, 歯学部, 教授 (70191872)
山下 秀一郎 松本歯科大学, 大学院歯学独立研究科, 教授 (80242212)
野首 孝祠 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80028753)
河野 正司 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50014098)
馬場 一美 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (80251536)
大山 喬史 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50064366)
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配分額 *注記 |
30,680千円 (直接経費: 23,600千円、間接経費: 7,080千円)
2006年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2005年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2004年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
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研究概要 |
Shortened dental arc (SDA) Conceptを提唱した,Kayser等による一連の研究により,一定の条件を満たしていれば臼歯部に欠損が生じても患者の主観的な口腔健康状態は大きく損なわれないことが示されている.しかし,一方では大臼歯部の喪失が顎機能障害や咀嚼能力の低下をきたすという研究報告も散見される. 近年,患者の口腔健康状態の評価指標として口腔関連QoLが重要視されているが,SDA患者を対象とした報告は見当たらない.そこで,本SDAマルチセンターリサーチ最終年度において臼歯部咬合支持の喪失と口腔関連QoLの関係についての横断研究を行った. 被験者は本マルチセンターリサーチに参画した6大学において連続サンプリングされたSDA患者118名である(2006年6月,1ヶ月間,平均年齢58.5±10.0歳,女性71%).各被験者の欠損歯数・歯種を調べ喪失したOcclusal Unit OU数(小臼歯の咬合=10U,大臼歯部=20U,最大120U)を算出し喪失OU値とした.口腔関連QoLの評価には日本語版Oral Health Impact Profile (OHIP)を用いその合計値を算出した.統計分析は,喪失OU値を独立変数,OHIP合計値を従属変数として線形回帰分析を行った.さらに,OUの喪失パターンによりSDA患者をクループ化しOHIP合計値のグループ間比較を行った. 線形回帰分析の結果,喪失OU値とOHIP合計値の間に有意な正の相関が認められた.また,グループ間比較の結果,第1大臼歯OUが残存するグループと喪失したグループ間に有意差が認められた(p<0.05). 以上の結果よりSDA患者の口腔関連QoLは,臼歯部咬合支持の喪失により低下し,特にその傾向は第1大臼歯の咬合支持を失った場合に顕著であることが示唆された.
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