研究課題/領域番号 |
16252002
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
自然災害科学
|
研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
中林 一樹 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (80094275)
|
研究分担者 |
饗庭 伸 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (50308186)
市古 太郎 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (10318355)
池田 浩敬 富士乗葉大学, 環境防災学部, 教授 (80340131)
澤田 雅浩 長岡造形大学, 造形学部, 講師 (00329343)
米野 史健 国交省国土技術政策総合研究所, 住宅研究部, 研究員 (60302965)
福留 邦洋 人と防災未来センター(兵庫県), 研究部, 研究員(研究職) (00360850)
照本 清峰 人と防災未来センター(兵庫県), 研究部, 研究員(研究職) (10416399)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
43,420千円 (直接経費: 33,400千円、間接経費: 10,020千円)
2006年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
2005年度: 14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2004年度: 15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
|
キーワード | トルコ北西地震 / 台湾集集地震 / 新潟県中越地震 / 阪神・淡路大震災 / 震災復興 / 住宅再建 / 地震保険 / 活断層 / 阪神・淡路大地震 / トルコ・マルマラ地震 / 台湾九二一集集地震 / 中越地震 / 市街地空間復興過程 / 住宅復興 / 集合住宅再建 / 被災者の生活再建支援制度 / 都市復興過程 / 住宅復興過程 |
研究概要 |
近年、アジアでは多くの地震災害が発生した。そのうち、日本では阪神・淡路大震災(1995)、新潟県中越地震(2004)、トルコ北西地震(マルマラ地震:1999)、台湾集集地震(1999)を取り上げて、地震災害からの都市と住宅の復興過程の実態及び関連する法制度の比較研究を行ってきた。震災復興は、被災した現地での再建復興「現地復興」と、被災した地区を離れ住宅・生活を再建復興する「移転復興」がある。いずれの国でも、災害復興に当たって、現地復興と移転復興が行われているが、そこには対照的な復興過程が存在することが明らかになった。 日本では自力復興を原則とし、持家層は現地復興を基本としているが、被災現地が危険な状況にあるなど移転が望ましい場合にのみ移転復興(防災集団移転事業)が行われる。他方、借家層は多くが被災した現地を離れて近傍あるいは遠隔地の借家や災害復興公営住宅に個別に移転復興を行う。また、都市部の震災復興の特徴的な課題は、土地区画整理事業・都市再開発などの都市基盤整備を伴う復興の推進と区分所有集合住宅の再建に見られたが、中山間地域の復興では、現地復興を原則としながらも、高齢化は地域復興の大きな阻害要因となり、孤立した集落などの集団移転による移転復興が選択されている実態が明らかとなった。 他方トルコでは、被災現地は地盤条件が悪いために被害が大きくなったという基本認識のもと、被災現地に対して建築制限を指定するとともに、建物自己所有層に対して住戸及び事業所1戸分を郊外に新設し、特別分譲するという移転復興を基本対策として震災復興を進めてきた。その結果、自己住宅が被災したわけではない借家層に対する住宅再建に関する公的支援対策は基本的にないにも拘わらず、都市計画制限もため被災現場での集合住宅の再建は遅れ、現地復興は大幅に遅れる現状が明らかとなった。 台湾では、変位した断層近傍地帯と震源域直上の中山間地域が被災地域で、その震災復興は原則として現地復興である。しかし、斜面崩壊した集落や地震に引き続き多発した台風災害による複合災害化のため、土石流などによって現地復興が不可能となった集落などは移転復興を余儀なくされている。台湾の震災復興の最大の特徴は、民営型の重建基金会(復興基金)が地域社会の生活再建や区分所有の集合住宅の再建などの取り組みをまちづくり(社区営造)として支援し、新たな復興手法を創設して、柔軟に震災復興を進めていったことである。 また、このような3地域の震災復興過程における特徴を比較研究するとともに、トルコ及び台湾では、事例的に市街地の復興現状をGISに基づく写真等のデータベースを試作した。
|