研究課題/領域番号 |
16253003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
伊藤 久男 海洋研究開発機構, 地球深部探査センター, 科学計画室長 (10356470)
嶋本 利彦 京都大学, 理学研究科, 教授 (20112170)
松林 修 産業技術総合研究所, 地圏資源環研究部門, 研究グループ長 (70358034)
田中 秀実 (田中 秀美) 東京大学, 理学系研究科, 講師 (40236625)
矢部 康男 東北大学, 理学研究科, 助手 (30292197)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
39,910千円 (直接経費: 30,700千円、間接経費: 9,210千円)
2006年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2005年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2004年度: 24,960千円 (直接経費: 19,200千円、間接経費: 5,760千円)
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キーワード | 摩擦熱 / 車篭埔断層 / 台湾 / 温度 / ボアホール / 集集地震 / 地震 / 応力 / 断層掘削 / 国際情報交換 |
研究概要 |
本研究の主目的は、1999年台湾集集地震(Mw7.6)のChelungpu断層が滑ったことによって生じた温度分布を発見することであった。断層を横切って温度変化が認められれば、地震時に発生した摩擦熱を推定することが出来る。摩擦熱の大きさを決定することができれば、地震学において長年の疑問であった、絶対応力レベルや巨大地震発生時の断層強度についての様々な情報が得られる。温度測定にあたり、台湾Chelungpu断層掘削プロジェクト(TCDP)によって掘削された、深さ約1100mで滑りの大きかった断層を貫くボアホールを用いる事が出来た。 本研究で開発された高分解能ボアホール測定器を用いて、我々は2005年9月に連続的な温度プロファイルを測定した。地震後6年が経過していたものの、断層に沿って僅かに温度が高い部分が観測された。この僅かな温度の違いは、地震時の摩擦熱が残留していることで説明される。モデルに基づく温度記録から、破壊時に断層上で剪断応力レベルが0.8から1.7MPaであったことが分かった。この値は見かけ摩擦係数が0.08から0.1であることに対応するが、非常に小さな値である。もしこれが大きな滑り領域を代表する値であれば、断層運動を説明するために、顕著な低摩擦条件下でのメカニズムが必要になってくるであろう。 熱伝導変数と言った物性値も、温度分布の解釈に影響を与える。これらの影響を研究することは、今後のプロジェクトの目的である。また本研究では、ボアホールコア記録から断層帯の物理特性が調査され、流体の流れの特性を決定するためのウォーターポンピング試験が行われた。
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