研究課題
基盤研究(A)
この4年間、(1)アジア大都市の特徴といえる混住的環境の可能性や、(2)低所得層の居住環境改善を目的としたコミュニティネットワーク活動の動向について研究を進め、今年度は、タイ、フィリピンでのコミュニティ調査を継続している。この課程で、次のようなキーワードを抽出し、計画論的な研究を行った。●コミュニティネットワーク:タイで実施されているコミュニティ間での連携によるネットワーク活動が、都市全体を視野に入れた低所得者の運動的なエンパワーとなること、また水平的な連携により、各コミュニティの固有の課題の解決に有意義であることを示した。(秋谷、藤井、「第8章コミュニティネットワークを通したまちづくりの展開」国際共生社会学 朝倉書店2008刊行予定)●混住環境:大都市のインナーエリアにある伝統的な用途混住地域や、あるいは一見無秩序にみえるスプロール市街地の固有な特質を、生成の過程を通して再評価し「混住環境」と定義し韓国で開催された国際会議で発表した。(「The Alternative Planning Process in the Field of Settlement Development」The 1st Congress of Asian Association of Urban and Regional Studies)●参加型プロセスを組み込んだ小規模単位での開発:低所得者のコミュニティ開発の調査を通して、小規模単位での住民組織によるイニシアティブの確立がコミュニティの自立的な開発を遂行するためのキー概念となることを論証した。(川澄、藤井「小規模住民組織を通したコミュニティ開発に関する研究」日本都市計画学会一般論文集2007年4月)
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日本都市計画学会論文集 42-1
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