研究課題/領域番号 |
16255002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
安田 弘法 山形大学, 農学部, 教授 (70202364)
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研究分担者 |
俵谷 圭太郎 山形大学, 農学部, 教授 (70179919)
村山 秀樹 山形大学, 農学部, 准教授 (40230015)
西澤 隆 山形大学, 農学部, 教授 (10208176)
村山 哲也 山形大学, 農学部, 教授 (20230013)
豊増 知伸 山形大学, 農学部, 准教授 (60272085)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
40,950千円 (直接経費: 31,500千円、間接経費: 9,450千円)
2007年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2006年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2005年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2004年度: 15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
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キーワード | 生態学 / 生物多様性 / 植物 / 菌根菌 / 昆虫 / 植物遷移 / 植食者 / 捕食者 |
研究概要 |
本研究課題では、主に以下の事項を中心に野外調査と室内実験を実施した。 野外で植物の菌根形成率の違いが植物及び節足動物群集の多様性創出に及ぼす影響 カリマンタン、ジャワ、鶴岡の3地域の原野で、1)土壌への殺菌剤散布または水散布、2)菌根菌の接種または非接種の各実験処理区を設け、菌根形成率、植物及び昆虫の調査を実施した。その結果、1)では水散布区よりも殺菌剤散布区で、2)では菌根菌非接種区より接種区で、それぞれ植物と昆虫の発生量が増加する傾向が見られた。3地域の圃場実験でも、同様の結果が得られた。これらの結果から、菌根形成率の違いは地上部生物の多様性創出に影響を及ぼしていると考えられた。 菌根形成率の違いが植物生育及び植食性昆虫の発生に及ぼすボトムアップ効果 菌根形成率および鱗翅目による食害の有無を操作してポット栽培したダイズを野外に設置し、植物の体内成分の変化と植食者昆虫の発生量を調査した。菌根区で食害に関係なくアザミウマ発生量は増加したが、アブラムシ発生量は食害区で減少した。また、菌根形成により植物の生育は促進されるとともに体内成分や遺伝子レベルからの変化も見られた。実験室内でも同様の結果を得た。これらの結果から菌根形成率の違いは地上部生物へのボトムアップ効果を生じさせていると考えられた。 食害が菌根形成率やアブラムシの発育に及ぼすトップダウン効果 鱗翅目幼虫による食害がダイズの菌根形成率とアブラムシの発育に及ぼす影響を、植物の体内成分の変化などから解明する室内実験を行った。その結果、食害は菌根形成率や植物の体内成分(ポリフェノールなど)濃度に影響し、アブラムシの発育にも影響した。この結果から食害は菌根形成率やアブラムシへのトップダウン効果を生じさせていたことが明らかになった。以上の結果から、土壌微生物は植物及び昆虫の生育や発育に影響を与え、それにより各栄養段階間の種間相互作用を通じ地上部生物の多様性創出と維持に重要な影響を及ぼすと考えられた。これらの結果は、計19編の学会発表により公表し、2008年には国際学会での3編の発表と原著論文5編の投稿を予定している。
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