配分額 *注記 |
14,990千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 690千円)
2007年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2004年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
|
研究概要 |
本研究では,各種の移動するセンサから得られる情報を効率的に収集し,これらの集約,抽象化を行って,多様なサービスから利用可能なようにネットワーク上に流通させる共通基盤技術となるモバイルセンシングネットワークの実現に関して研究した.モバイルセンシングネットワークの実現に必要な機構として,環境センシング機構,環境情報発見機構,適応型ネットワーキング機構,センシングアプリケーションという4サブテーマに重点を置いた.環境センシング機構に関しては,非IPネットワークとIPネットワークを介して到達性向上を実現する相互補完通信手法に関して検討を進め,ホームネットワーク上の家電といった比較的移動性の低い環境であればテーブル生成方式の効果が大きいことを示した.環境情報収集機構に関しては,環境情報の効率的収集について,特にメタ情報,階層的制御といった手法を取り入れることで,電池駆動のノードが存在する場合にシステム全体のライフタイムを伸ばすことのできる電力消費削減手法を検討した.適応型ネットワーキング機構に関しては,グルーピング可能な各種センサ同士を結びつけアドホックなPANを形成し,リモートからデバイスを透過的に利用することのできる手法を開発し,リモートプラグ&プレイが100ms程と使用上問題ないことを示した.センシングアプリケーションに関して,サービス品質は高精度な位置情報取得に依存することが多いため,位置情報取得環境を即興的に構築できる方法を検討し,シミュレーションにて,接続性が15ノード/通信範囲という高密度な状況であれば距離測定のための特別なデバイスを必要とせず通信機能のみで測位可能なことを示した.なお,多種多様な情報を多様なサービスから利用可能なようにネットワーク上に流通させるゲートウェイアプローチを検討したが実装を伴う十分な成果までは得られなかった.しかし,本研究で得られた個々の研究成果は本分野の基礎技術となることを確信する.
|