配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,人類の文化遺産である絵画,書画,伝統工芸などの芸術作品を超高精細画像化し,ディジタルデータとしてデータベースに保存することにより,高度感性情報を半永久的に劣化なく次世代へ遺すことを可能とする感性スケーラブル表示を指向したディジタルミュージアム(電子博物館)構築のための基礎検討を行うことにある。 これまで,画像データベースなどの画像情報アプリケーションシステムの符号化方式としては非可逆圧縮方式が主流であった。しかし,芸術作品のような高度感性情報を忠実に次世代に遺すためには,可逆符号化をメインとし,さらに伝送・表示等をも考慮してシステムを構築する必要がある。これまでの研究において,本研究代表者らは,ウェーブレット変換を用いることによりディジタルミュージアム用の超高精細画像を対象としたスケーラブルな可逆符号化方式を確立した。しかるに,今般,各種情報の高品質化・高精細化にともない,ディジタルミュージアム等で取り扱う画像も,その対象は静止画像から超高精細動画像へと大きく変貌してきている。このような観点から,本研究では,超高精細動画像に対する高効率可逆符号化の基礎システムを確立した。具体的には,動き補償とマルコフモデル符号化を用い,エントロピー符号化部に改良型動的算術符号を開発しこれを用いるものであり,シミュレーションを行って良好な結果を得た。また,ディジタルミュージアムにおけるもうひとつの問題として,著作権保護の問題がある。本研究ではこの問題についても考察し,著作権保護と改ざん検知を同時に実現する可逆電子透かし方式を開発してシミュレーションを行い,良好な結果を得た。なお,開発したディジタルミュージアム用超高精細画像符号化方式の感性スケーラブル符号化への適用についてはまだ多くの問題点も残されており,今後も継続して研究を進めていく予定である。
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