配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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研究概要 |
本研究は,IT技術を応用した電子的コミュニケーションにおいてノンバーバル情報が必須であるという立場から,コミュニケーションにおけるノンバーバル情報の役割を明らかにし,さらに定量的なモデルとして提案することを目的とするものである.特に視線情報にフォーカスをあて,ノンバーバル情報と人の行動,印象の関係をモデル化した.入カインタフェース,コンピュータ上に実装した擬人化した会話工一ジェント,テレビ会議など映像を介して行われる人と人のコミュニケーションサポートシステムへ適用し,モデルにより設計されるコミュニケーションシステムの効果を検証した.本研究により得られた主な研究成果は下記の通りである. 1.ALSなど障害者向けの視線入力システムを構築し,実環境で十分な動作をすることを確かめた.さらに,一般ユーザ向けのWEB入カアブリケーションに応用し,実用性の高さを検証した. 2.実空間におけるコミュニケーション時の視線等の行動を分析した結果,発話交替における視線,表情,顔向きと発話意図のモデル,および,擬人化工一ジェントの視線・表情・顔向きの組み合わせによる印象伝達モデルを提案した.提案モデルの応用としてコンピュータモニタ上の擬人化工一ジェントとの発話交替システム,3人が視線一致できる映像会話システムを構築し,モデルによりシステムを評価した.この評価方法は今後のシステムの設計指針として有効なアプローチであることが示唆された. 3.視線による共同注意手がかりを幼児が映像を介しても行えるかについて調べ,映像による共同注意も実空間と同様に確立することが確かめられた. 得られたモデルを規範としてITコミュニケーションシステムの評価を行い,その評価に基づいてさらにシステムのデザインの改良に寄与するという設計法は,将来不可欠になりうる有望なアブローチであると考える.今後,構築したシステムを用いて,実空間におけるコミュニケーション行動との比較実証実験に基づくユーザビリティ評価を進める予定である.
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