配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2006年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
本研究では,まず,広視野映像による映像酔いとステレオ映像による眼精疲労を自覚症状として区別なくとらえるための評価方法を確立した.27項目のアンケートにより得られた結果をさまざまな映像実験に対して適用した結果,あらためて,眼精疲労,酔いを含む5因子に分離できた.また映像の種類によっては酔いと疲労が混在している状況もあることが明らかになった. 映像の調節と輻輳に対する刺激が矛盾することが原因であると考えられている,ステレオ映像視聴時の眼精疲労に関して,調節・輻輳の振る舞いすら正しくとらえられていなかったことを踏まえて,これらの測定を可能にした.その結果,映像が空間周波数成分の高い周波数まで含んでいる場合には両者の反応の乖離が大きく,低い周波数成分のみしか持たない場合は,調節は輻輳の反応に引きずられること,輻輳反応はいつも刺激にあっていること,動的反応でも輻輳は速やかに正しく反応するが,調節はさまざまな反応形式を示し,場合によっては大きなオーバーシュートが見られることが明らかになった. 広視野の動的刺激映像に対してベクション(視覚誘導自己運動感覚)が生じる.このベクションは,観察者の固視の保持方法により変化することがわかった.したがって,徐々に酔い感覚が生じるような映像を見ているときには,眼球運動の様子により酔い方が異なった.また,回転パターンを見ている場合にはベクションと対象運動の両モードが20秒程度で交互に現れるが,その知覚変化は重心動揺や眼球運動にも影響を与えることを明らかにした.
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