研究分担者 |
下村 芳樹 首都大学東京, システムデザイン学部, 教授 (80334332)
太田 順 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50233127)
前田 雄介 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (50313036)
杉 正夫 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 研究拠点形成特任助手 (90372408)
上田 隆一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20376502)
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配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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研究概要 |
一般オフィス内で長期間にわたり安定的に生きながらえ、かつ、探索作業を遂行できる移動ロボットを実現するためのアルゴリズム構築とした.また、ロボット工学者が技術を競うロボカップに参加し,雑多な世界でタスクを行うロボットに必須なアルゴリズムの開発を行った.まず,ロボットが自律的に行動するための要素技術である「自己位置推定」と「行動決定」に関する新たな手法を提案した.さらに,ロボットが雑多な環境で動作するために不可欠な「位置推定があいまいな場合の行動決定」について手法を提案した._ 自己位置推定手法については,Monte Carlo localization(MCL)を,長時間の使用に耐えうるように改良した.MCLは,ある時点で推定に誤りが生じると,それ以降の推定が不可能な状態に陥ることがある.そこで,推定不能な状態を解消する方法「リセット法」について,既存の方法(センサリセットと膨張リセット)を組み合わせることで,互いの長所を持つ方法を提案した. 行動決定手法については,ロボットの限られた容量のメモリ上に巨大な行動決定則を実装するため,ルックアップテーブル(LUT)上に記述された行動決定則をベクトル量子化(VQ)で圧縮する手法を開発した. 「位置推定があいまいな場合の行動決定」として,実環境においてロボットが完全に環境の状況を把握できないという問題に対応する手法を開発した.この手法は,MCLの出力と状態行動地図から期待値計算を行い,不確かな中でも最良の行動を選択するというものである.実機実験では,ロボカップ環境において照明条件を変えることでロボットのカメラで抽出できる情報の不確かさを変化させ,ロボットが不確かさに応じて適切な行動がとれるか評価を行った.結果、例えば自身の位置に対する情報が不確かな場合には,壁に衝突しないように不確かさに応じて距離を変えるなど,ロボットの知的なふるまいが観測できた.
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