研究課題
基盤研究(B)
1.NMDA受容体NR2A(ε1)サブユニットのノックアトマスを用いた解析 我々は海馬神経回路の非対称性を、野生型マウスに対して薬理学的手法および生化学的手法を適用することによって明らかにした。これを異なる手法を用いてさらに確認するために、NR2AサブユニットのKOマウスを用いて検討を行い、錐体細胞シナプスの非対称性を再度確認するとともに、介在細胞シナプスにはこのような非対称性が存在しないことを明らかにした。この成果は米専門誌J.Neuroscience(2005)に掲載された。2.ivマウスを用いた解析 内臓の左右差形成に異常を示すivマウスの神経回路を解析した結果、ivマウスの脳では左右の非対称性が消失し、両側がともに右脳の性質を示している(右側異性)ことが明らかになった。これにより、脳と内臓では左右差の形成機構が異なることも明らかになった。本成果は米科学誌PLoSOne(2008)に掲載された。3.行動解析 ivマウスは遅延交替反応課題において野生型マウスよりも有意に劣る成績を示したが、物体識別では野生型マウスよりも好成績を示した。また、小動物用fMRIを用いた解析を行い、空間学習時の脳活動は野生型マウスでは左右非対称であるが、ivマウスでは左右差が消失していることを示唆する結果が得られた。4.海馬スライスの組み合わせま培養系の開発 非対称性形成に関与する分子のシナプス局在を調べることを目的として、異なるマウスから調整した、海馬CA 3野とCA 1野を組み合わせて培養する方法を考案した。これまでに培養法および、これを用いた生理学的解析法を確立することができた。
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PLoS ONE 3(4)
120002695755
PLoS ONE (in press)
細胞工学 (in press)
実験医学 (in press)
J.Neuroscience 25(40)
ページ: 9213-9226
The Journal of Neuroscience 25・40
http://www.kyushu-u-biophys-isitoscb.com/