研究課題/領域番号 |
16300111
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
遠山 育夫 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 教授 (20207533)
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研究分担者 |
木村 宏 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 教授 (40079736)
松尾 明典 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 助手 (20324585)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2004年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | アセチルコリン / コリン作動性神経 / alternative splicing / 抗体 / 学習 / 記憶 / alternative splicin |
研究概要 |
コリンアセチル基転移酵素(ChAT)は、コリン作動性神経の神経伝達物質であるアセチルコリンの合成酵素である。ChATは、これまで1種類であると考えられていた。しかし、多くのChAT抗体が末梢コリン神経を検出できないという事実をヒントに、我々は、ラットの翼口蓋神経節から新しいChATサブタイプを発見し、pChATと命名した(Tooyama and Kimura,2000)。当初、pChATは末梢神経系にのみ発現していると予想されたが、pChAT抗体を作製してラット脳を検索したところ、視床下部の隆起乳頭体核に細胞体を持ち大脳皮質に投射するニューロンがpChATを含有することを見い出した(Neuroscience 2003)。すなわち哺乳動物の脳にもChATサブタイプが複数個存在する可能性が高い。そこで本研究では、ヒトおよび霊長類を対象に、ChATサブタイプの遺伝子構造を明らかにするとともに、それぞれのサブタイプの解剖学的局在と機能的意義について研究を行った。その結果、1)サルおよびヒトのChATサブタイプの遺伝子構造、2)ChATサブタイプの解剖学的局在(とくにサル脳において)、3)ChATサブタイプの機能的意義の一端を解明した。本研究の結果、ヒトやサルにもChATバリアントが存在することが明らかになった。さらに、ChATバリアントはアセチルコリンを合成するだけでなく、核内において転写因子と相互作用するなど、新たな機能をもつ可能性が示唆された。脳ではコリン神経系は学習・記憶に深く関わっていることが知られており、今後、アルツハイマー病をはじめとするヒト疾患で、ChATバリアントがどのような働きをしているのか、検討していく予定である。研究成果は、11編の国際学術誌に報告するとともに(業績欄参照)、2つの国際学会で発表を行った。
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