研究課題/領域番号 |
16300116
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
山田 真久 独立行政法人理化学研究所, 山田研究ユニット, ユニットリーダー (60321832)
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研究分担者 |
三井 健一 独立行政法人理化学研究所, リサーチリソースセンター, 専門職研究員 (80266030)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2006年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | アセチルコリン / ムスカリン受容体 / 脳血流 / 神経萎縮 / 脳虚血 / 短期記憶 / ムスカリン性受容体 / 神経細胞 / nitric oxide / 脳底動脈 / 脳血管 / 認知機能 |
研究概要 |
M5ムスカリン性アセチルコリン受容体(M5受容体)遺伝子欠損マウスの脳底動脈は、アセチルコリンによる脳血管拡張効果が消失していることが分かっていました(Yamadaeta1.,2001)。アセチルコリンは血管内皮細胞のM5受容体に作用することにより、一酸化窒素(Nitric Oxide, NO)を放出し、血管を拡張させる機能を担っています。我々は、磁気共鳴画像装置(MRI装置)を用いて、M5受容体遺伝子欠損マウスの脳血管を観察したところ、脳の動脈が細く、脳血流量が顕著な減少を示していました(Araya et a1.,2006)。つまり、アセチルコリン依存的血管拡張作用は、脳の動脈拡張を常に担っていることが示されました。 さらに、M5受容体遺伝子欠損マウスは血圧に対して血流を一定に保つ動脈の収縮能力も失い、恒常的な脳循環障害を受けていました。このような脳循環障害は、高齢者にみられる脳動脈硬化とよく似ています。そこで、我々は高齢者に見られるような認知機能異常が脳循環障害と関係があるかという課題をこのマウスを用いて解析することにしました。その結果、認知行動試験に障害が認められ、海馬の錐体細胞においては萎縮や自発発火頻度の低下が観察されました。全ムスカリン受容体の約2%であるM5ムスカリン性受容体が脳血流量を制御することで認知機能といった脳高次機能に関与すると考えられました。それでは、血管内皮の機能障害がどのように神経細胞萎縮につながるのでしょうか?この疑問に答えるべく、網羅的解析から得られた分子の機能解明を行っています。一連の解析から、血管および周囲組織におけるムスカリン受容体の役割をより明確にする分子間、細胞間協調のメカニズムを解明する手がかりとなる分子を発見致しました。今後、この分子の機能と神経細胞の萎縮の解明を進めます。
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