研究課題/領域番号 |
16300118
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉川 和明 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (30094452)
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研究分担者 |
岡田 雅人 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10177058)
西村 伊三男 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (70362621)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2005年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2004年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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キーワード | Necdin / MAGEファミリー / ニューロン / 神経栄養因子 / 分化 / アポトーシス / ゲノムインプリンティング / プラダー・ウィリー症候群 / MAGEファミリー蛋白質 / 脳発達 |
研究概要 |
Necdin/MAGEファミリー蛋白質のニューロン死(アポトーシス)に及ぼす作用ついて解析し、以下の結果を得た。 1.Necdinと類似蛋白質MAGE-G1(necdin-like 2)はニューロン死を誘発することが知られる転写因子E2F1と受容体p75の両者に結合して、ニューロンのアポトーシスを制御した。 2.Necdinは神経成長因子NGF受容体であるTrkAとp75に結合して、NGFによって惹起される細胞内神経生存シグナル伝達系を増強した。 3.Necdin遺伝子欠損マウスでは、NGFシグナル伝達系の減弱によって、NGF依存性知覚ニューロンのアポトーシスが増加していた。これらのマウスでは熱刺激に対する痛覚耐性の増加がみられた。 4.Necdinはアポトーシス誘発作用をもつMAGE蛋白質MAGE-D1との結合を介してホメオドメイン蛋白質Dlx2と三者複合体を形成した。Dlx2は前脳GABA作動性ニューロン分化促進因子であるため、Necdin遺伝子欠損マウスでは前脳GABA作動性ニューロン数の減少が認められた。 5.Necdin遺伝子欠損マウスの小脳顆粒細胞では、アポトーシス誘導因子E2F1の活性化とアポトーシスの増加がみられた。 以上の結果、NecdinおよびNecdin類似MAGE蛋白質はニューロンのアポトーシスを抑制することによってニューロン生存を維持していることが明らかになった。これらの研究成果は、Necdinの関与が推定されているゲノムインプリンティング疾患プラダー・ウィリー症候群発症の分子機構を知る上で重要なものと考えられる。
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