研究課題/領域番号 |
16300124
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団 |
研究代表者 |
阿相 皓晃 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究副部長 (30104160)
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研究分担者 |
清和 千佳 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (60399459)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | ミエリン形成の分子機構 / 免疫グロブリンFc受容体 / Fynチロシンキナーゼ / 脱髄 / 再ミエリン化 / ミエリン塩基性タンパク / リモデリング機構 / 免疫ブロブリンFc受容体 / オリゴデンドロサイト前駆細胞 / ミエリン新生 / 脳内リガンド |
研究概要 |
脳発達に伴うミエリン形成はミエリンの新生に始まり成人脳では脱髄と再ミエリン化(再生)の繰り返しが生涯続く。ミエリン形成の分子機構はこれまで謎に包まれていたが、本研究の中でミエリン形成のトリガーとなる新たな分子を探り当て、その分子が免疫グロブリンFc受容体であることを明らかにした。すなわちオリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)にIgG-Fc受容体が発現していることを見い出し、OPCをIgG複合体で刺激するとFynチロシンキナーゼが活性化され、OPCの形態変化を伴った分化が起こり同時にMBPの発現(特にexon2-containg MBP)が著明に増加することを明らかにした。さらに、IgG-Fc受容体のシグナル伝達はFc受容体共通γサブユニット(FcRγ)とFynとの会合によって行われていることも明らかになり、FcRγとFynを欠損させたダブルミュータントマウス由来のOPCをIgG複合体で刺激してもまったく反応しないだけでなく、このミュータントマウスではミエリン形成に重要な障害があることも判明し、IgG-Fc受容体がミエリン形成の生理的なトリガーであることが示された。さらにこれらのトリガー分子はカプリゾン投与による脱髄時にミエリン膜で発現が消失し、再ミエリン化(脱カプリゾン後2週目)で再び発現することがわかり、脱髄と再ミエリン化を繰り返しながら機能的なミエリンを生涯維持する「ミエリンのリモデリング機構」にも深く関わっていることが明らかになった。これらの結果からミエリン形成のトリガー分子FcR/Fynの発現調節を制御することによって脱髄治療の応用への可能性が示唆された。
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