配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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研究概要 |
本研究では,近赤外分光法(NIRS)を用いた筋組織酸素濃度分布のイメージング装置を開発し,運動負荷時の筋組織酸素濃度・飽和度・消費量などの時空間解析を行うことにより筋組織酸素濃度変化と筋代謝機構の因果関係を解明し,筋を対象とするNIRSイメージング法の確立を目指した. 1.空間分解法を用いた筋組織酸素濃度イメージング装置の開発 小型化とS/Nを両立する最適な光プローブの設計・試作を行い,ファントムを用いて試作プローブの性能を確認した.データの取得,筋組織酸素濃度のイメージングを行うシステムを作成し,32プローブ(96チャンネル)で毎秒2フレームのイメージングを実現した. 2.ヒト運動負荷試験の時空間応答解析 試作した時空間解析装置を用いて,種々の運動負荷に対する筋組織酸素飽和度分布の時空間応答を解析した.特に大腿部筋群,前脛骨筋について組織酸素飽和度の時空間応答を解析し,わずかな運動様式の違いを酸素飽和度の時空間解析により明瞭に把握できることを示した.また,運動プロトコルを2回繰り返して酸素消費量の時間応答を比較し,酸素飽和度が著しく低下しなければ,運動負荷による酸素負債が局所な酸素消費量に単純に加算されることを明らかにした. 3.顕微分光による筋組織酸素飽和度の測定 波長400〜850nm帯の波長を用いて吸光度を測定し,重回帰により散乱成分を除去して酸素飽和度を求める顕微分光システムを試作し,ラット挙睾筋を対象に酸素飽和度イメージングを行った.波長500nm帯では,径数10ミクロンの血管の飽和度を画像化できたが,より微小な血管では400nm帯の利用が必要となることを示した. 4.手法の実用化に向けた検討 多チャネル光プローブに代わりにCCDカメラを用いて空間分解NIRSの定量性を検証し,光拡散近似の妥当性を確認した.また,取扱が簡便で長期に使用できるプラスチックファントムを試作し,装置校正面からも本手法の実用化に向けた検討を行った.
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