研究課題/領域番号 |
16300181
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
リハビリテーション科学・福祉工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三宅 直之 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20361488)
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研究分担者 |
江藤 文夫 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00101121)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | リウマチ性疾患 / 物理療法 / 皮膚交感神経活動 / 知覚閾値 / 電流知覚閾値測定 / C線維 / 閾値の上昇 / 交感神経活動 / 閾値上昇 / C繊維 |
研究概要 |
【研究の目的】本研究はリウマチ性疾患の疼痛や異常感覚に対する温熱刺激と電気刺激の鎮痛効果とその作用機序について、交感神経性皮膚血流反応(SFR)および交感神経皮膚反応(SSR)による皮膚交感神経活動に及ぼす影響と、知覚閾値の変化について電流知覚閾値装置(CPT)を用いて解明することを目的とした。 【対象と方法】対象は外来通院中の痛みや異常感覚を訴えるリウマチ性疾患患者30名(平均年齢59.7±12.5歳)。また痛みを自覚していない健康成人18名(平均年齢32.4±1.6歳)をコントロール群として全例から文書にて、検査および目的について同意を得た。なお本研究は当大学の倫理審査を経たものである。温熱療法はホットパック、赤外線を使用。電気刺激は低周波鍼通電療法を行い、刺激時間はそれぞれ15分間。週1回の治療を3ヶ月間行った。測定方法は交感神経性皮膚血流反応(SFR)はレーザードップラー血流計(ALF21)を用い、電気刺激による血流変化を記録。交感神経皮膚反応(SSR)は電気刺激による電位変化を導出し、0.5〜1000Hzのバントパスフィルターでノイズを除去し記録した。電流知覚閾値装置(CPT)は上肢は示指、下肢は第1趾、第2趾遠位端において、2000Hz、250Hz、5Hz時の電流を知覚したレベル(mA)をもってCPTを測定した。患者自身の評価は疼痛スケール(pain relief scale)の経時的変化を総合した痛み改善度とQOL評価法(SF-36)をendpointとした。 【研究結果】痛みを有するリウマチ性疾患患者に対して電気刺激を行うと、温熱刺激よりも皮膚交感神経活動の抑制と皮膚血流の増加及び痛覚閾値の上昇を認めた。この反応は健常者を対照とした電気刺激では若干の変化がみられるものの、リウマチ性疾患患者のような有意な差は認められず、病的な状態であることでより変化を起こしやすい結果となった。この反応には2つの機序が考えられる。1つは軸索反射機序による血管拡張であり、もう1つは皮膚血管を支配する皮膚交感神経の緊張の抑制による血管拡張である。今回の結果からは局所の軸索反射によるものと皮膚血管を支配する皮膚交感神経の緊張の抑制による両者の血管拡張機序が考えられた。また痛覚閾値で5Hz(C線維)が有意に上昇したことから侵害刺激として感じるSecond Painに対しては閾値の上昇をもたらす可能性があり、神経障害が広範囲に拡がる前の細い無髄神経が障害される時期には治療効果が期待できることが示唆された。以上のことから電気刺激は筋収縮運動を引き起こすことによって筋代謝および筋ポンプ作用を亢進させると共に神経性調節及び液性調節によって皮膚血流および筋血流を増加させることが示唆され、鎮痛機序に関与する求心性神経を効率的に刺激することが痛覚閾値を上昇させる効果につながったものと考える。さらに心拍数や血圧は電気・温熱刺激においてほとんど変化は認められなかったことから、心機能の変化を引き起こすような全身的な影響は少なく、臨床上高齢者や心疾患等を持つ患者にも適応でき、簡便で鎮痛効果が期待できる治療法と考える。
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