配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
|
研究概要 |
本研究では,識別しやすいUV点字の製作法・識別容易性を向上させる道具を提案すること及び触知案内図の表示法に関するJIS化に寄与する基礎データを収集することを目的とした. UV点字に関しては,点字パターン(点間隔・高さ),印刷素材,指先の滑りやすさの3つの因子に着目し,それらの因子がUV点字の識別容易性に及ぼす影響を定量的に評価した.研究成果としては,点字初心者にとって識別しやすい点字パターンを示し,印刷素材の影響を受けにくいUV点字の印刷条件を示すことができた.これらのデータは,UV点字製作時の参考データとして印刷業者から高い評価を受けた.また,指先の滑りの良し悪しがUV点字の識別容易性に影響を及ぼし,薄くて軟らかい布を人差し指に被せると指先が滑りやすくなりUV点字の識別容易性が向上することが明らかになった.さらに,指先に滑り良くする素材としてポリエステル長繊維不織布製の指サックを作製し,点字学習者用のUV点字識別補助具としての着用効果が高いことを示した.現在,このUV点字識別補助具は日本点字図書館と共に製品化に向けて検討しているところである. 触知案内図に関しては,公共施設の触知案内図上で重要な情報項目(現在地やトイレ等)を示す触知記号に着目して,触知記号(丸・三角・四角の3種類の形状)のサイズが識別容易性に及ぼす影響を識別実験により評価した.その結果,形状別に識別時間とサイズの関係が明らかになった.このデータは,2007年3月に発行された触知案内図の表示法に関するJISの制定に向けた議論の際に有用なデータとなった.なお現在は,5年後に行われる本JISの見直しや近い将来のISOへの提案を想定して,本研究で得られた知見に基づいて触知記号に関する評価研究を継読しつつ,触知案内図にする研究課題を整理しているところである.(771文字)
|