研究課題
基盤研究(B)
色覚異常者は黄と赤のLED信号の区別が困難とされる。国際規格である100mの距離から色覚異常者が視認できる仕様を達成するために、色覚異常者が識別可能となる×を赤色灯に施して黄と赤の区別をつけさせ、健常者にはその仕掛けたる×が見分けられない(見える必要がない)赤色信号灯を開発した。本年度の研究では「色度の違い」で×を認識する、「輝度の差」で×を認識する、「色度と輝度差の組み合わせ」で×を認識する、という3つの方法について被験者からデータを取得し、色覚異常者と健常者の間で有意差を検証した。その結果、第1に色覚異常者は健常者よりも明暗の差により敏感であること、第2に色度と輝度差を組み合わせることにより有意な差が現れることが始めて確認された。結論として、「輝度の差」と「色度と輝度差の組み合わせ」の2方式のそれぞれで、色覚異常者には感知できるが健常者には感知できないような効果を得る輝度と色度の組合せが存在することが判明した。輝度差のみの方式では赤色LEDパネルの配列と配線を変えるだけで現状でも即、実施が可能であり、輝度差と色度差を調整する方式も現行技術で実施可能である。輝度差と色度差を組み合わせるものが、輝度差のみのものよりも幅広い需要者に安定した効果として認められる。本年度の成果を持って当初の研究目的は全て達成され、萌芽研究から始まった3ヵ年におよぶ研究開発によって実用可能な製品技術として完成させた。来年度は警察庁主導による検証実験が行われることが決定しており、既にスウェーデン、アメリカや中国の関係者からも高い関心が寄せられている。今後は国際的な権利の取得と共に、関連学会発表やメディア広報活動を通じて効果的なプロモーションを推進していく計画である。国際照明委員会(CIE)を発信源とする国際標準化の流れのなかで、本研究成果が「日本発(初)標準化」一端を担うことも期待されている。
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Inclusive 2005, International Conference on Inclusive Design, Royal College of Art, London, UK (5-8 April 1 2005)
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第47回日本産業・労働・交通眼科学会 抄録集
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Inclusive 2005, International Conference on Inclusive Design, Royal College of Art, London, UK (5.8 April 2005)
Proceedings of the 47^<th> Japan Industrial, Labor and Traffic Ophthalmology, Nagoya, Japan (December 2005)
Inclusive Design 2005(4月5〜8日ロンドン開催の国際学会) (CD-ROM)
第46回日本産業・労働・交通眼科学会 予稿集
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