研究課題/領域番号 |
16300200
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
スポーツ科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
南條 博 秋田大学, 医学部, 講師 (70250892)
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研究分担者 |
増田 弘毅 秋田大学, 医学部, 教授 (60103462)
川村 公一 秋田大学, 医学部, 助教授 (00091801)
高橋 正人 秋田大学, 医学部, 助手 (10315806)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 骨髄由来細胞 / 内皮細胞 / 血管リモデリング / 内膜肥厚 / CD34陽性細胞 / ずり応力 / 大動脈瘤 / トレーニング / 毛細血管 / 心筋 / 骨格筋 / 骨髄キメラ / 脳 / リモデリング / 心臓 / 血管 / 血流 |
研究概要 |
実験的大動脈瘤モデルにおいて、CD34陽性細胞の局在と分化が血管リモデリング及び血行動態の制御に密接に関連していることを明らかにした。また、血流負荷により活性化された内皮細胞は、一度増殖し始めると血流の消失にも関わらず一定の段階まで増殖することを明らかにした。すなわち、血管リモデリングの初期に見られる一過性の内皮細胞の増殖には特別な性格を持った細胞が関与していると考えられる。さらに、大動脈瘤を構成する平滑筋細胞が血行動態の変化に伴って増殖とアポトーシスを来すこと、短時間の血流量の増減により動脈リモデリングが劇的に生じることを形態学的及び分子病理学的に明らかにした。CSA(C3H系統特異抗原)骨髄キメラ長期生存マウス及びGFP (green fluorescent protein)骨髄キメラ長期生存マウスの検討から、毛細血管レベルの内皮細胞と分化不明の間葉系細胞に骨髄由来細胞の基本的な動態が、脳、心、肺、肝、脾、腎、膵、消化管、胸腺、骨格筋等の全身諸臓器に存在することを明らかにした。脳においても毛細血管内皮細胞とグリア細胞に骨髄由来細胞を認めた。すなわち、血流変化の乏しい定常状態においても、全身諸臓器の毛細血管系において骨髄由来細胞の基本的な動態が存在することになる。また、心筋毛細血管の骨髄由来内皮細胞は骨格筋毛細血管の骨髄由来内皮細胞より約50倍から100倍多く存在する。臓器に動員され、かつ生着している骨髄由来内皮細胞数は血流量により規定されている可能性がある。さらに、2-4週間のトレッドミル運動負荷によるフィジカルトレーニングにより骨格筋毛細血管の骨髄由来内皮細胞が増加した。すなわち、毛細血管壁を構成する骨髄由来細胞をフィジカルトレーニング等による血流量増大により多量に誘導させ、毛細血管内皮細胞をリフレッシュさせることは可能である。一方、全身諸臓器にドナー骨髄由来の心筋細胞、骨格筋細胞はほとんどなかった。近年、骨髄由来細胞の難病治療への応用が大きく取り上げられているが、臨床応用においては骨髄由来細胞の基本的動態を改めて認識する必要がある。循環器学的、血管生物学的、及びスポーツ医学的アプローチによる骨髄由来細胞を用いた確かな臨床応用が期待される。
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