配分額 *注記 |
12,840千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 840千円)
2007年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2006年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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研究概要 |
運動や温熱に対するヒト骨格筋でのストレス蛋白質の発現については不明な点が多い。本研究では,ヒト骨格筋におけるストレス蛋白質の安全で効率的な誘導方法を検討し,その成果に基づいて運動・トレーニングの現場での応用可能性について検討を加えた。得られた主な成果は以下のようにまとめられる。 1.パンチ式の筋生検法を改良し,低侵襲で日常生活やレーニングに特別な支障を与えないヒト骨格筋のストレス蛋白質に関する研究手法を確立した。この手法の確立によって,ヒトでの筋生検を用いた研究の適用範囲を飛躍的に拡大することに成功した。 2.ストレス蛋白質の安静時発現には大きな個人差があるが,ヒト骨格筋のストレス蛋白質発現量は,%タイプと正の相関を示し,持久的競技者に強く発現する傾向を明らかにした。また,廃用性筋萎縮を示す麻痺患側の骨格筋では,その発現量は低下することを明らかにした。 3.局所的なマイクロ波温熱負荷によってヒト骨格筋のストレス蛋白質発現量を増大できることをはじめて確認した。また,より効果的で安全なストレス蛋白質の誘導を可能にするために,新たに特殊なマイクロ波温熱負荷装置の開発に取り組んだ。その結果,外側広筋に対する30分間の温熱負荷で,皮膚温を40℃に保ちつつ筋温のみ45℃まで安全に上昇させることに成功した。 4.プレコンディショニングとしての温熱負荷は,遅発性筋痛発生後の筋痛からの回復促進には効果をもたらさないが,伸張性運動後に生ずる筋痛の発生と筋の機能的な低下を軽減する効果が観察された。 今後はさらに,温熱負荷によるストレス蛋白質の消長と,それによって期待されるアスリートなどの競技パフオーマンスの向上に及ぼす効果との関係を明らかにしていく必要性があるものと思われる。
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