研究分担者 |
今岡 春樹 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (00223321)
岡部 秀彦 独立行政法人 産業技術総合研究所, スマートストラクチャー研究センター, 主任研究員 (90356692)
乾 滋 信州大学, 繊維学部, 助教授 (10356496)
團野 哲哉 (團野 哲也) 高知女子大学, 生活科学部, 助教授 (80275437)
村上 かおり 京都ノートルダム女子大学, 生活福祉文化学科, 助教授 (80229955)
永野 光朗 大阪樟蔭女子大学, 人間科学部心理学科, 助教授 (20237548)
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研究概要 |
研究成果は次の通りである。 1.非接触3次元(3D)カラー人体自動計測器によるミドル&エルダーエイジ中高年女子の自動計測:30代〜60代の中高年女子を中心に比較資料の青年女子も加えて総計約65名の3D人体データを収集した。 2.3次元人体形状の自動計測と曲面形状のカラー表示について:定構造メッシュ生成のためのルールを約150体のデータに適用し、適正なデータのほぼ全てに適用が可能となった。これを基に,3次元人体寸法,体表面曲率の自動計測などのシステムを構築した。曲面形状のカラー表示を始め,回転による全方向からの体形の把握ができ,衣服設計用の3次元人体形状の基礎的な情報が短時間で収集できるようにした。 3.中高年女子の3次元体形イメージ別のデザインアドバイス情報抽出:昨年度の中高年女子約70名の3次元人体シミュレーションによる体形イメージ評価結果(全体と部分の合計25項目)を分類して選択した3次元モデル3体にデザイン服を仮想的に着装させ,シミュレーションで評価できるようにした。評価方法として20種類のオリジナルデザイン服のパターンを作成,素材も選定・入力し,3人のモデルに同デザインを着装させ回転表示によりイメージ評価が出来るCDを作成した。昨年度,ファッション雑誌から選択した約1000のイメージ用語を,成人女子20代〜70代約650名により分類した。抽出した5つのイメージ(a.レディ・フェミニン系,b.モダン・シャープ系など)とその決定デザイン要素,デザインに対する自己・他者的評価,およびデザインと体型などについて,成人女子約100名に評価を依頼した。イメージに対応したデザインとその詳細なデザイン要素の特徴,デザインの自己・他者からの嗜好などの評価傾向,体型との関係などが得られ,個々のデザイン服の感性的アドバイス情報として提供できるようにした。 4.照明を考慮した素材色彩再現Plug-inの着装シミュレーションへの導入:照明を考慮した素材色彩再現性を,着装シミュレーションに導入するための基礎実験を行った。物体反射光の分光スペクトルは,光源の分光放射スペクトルに,物体の表面分光反射スペクトルを各波長において代数的に乗算すれば,精度よく求められることが実験的に確認された。また,計算により得られた物体反射光の分光スペクトルに等色関数を適用することで色度が計算され,実測値ともよく対応していた。以上の結果から,物体の各部位ごとの表面分光反射スペクトルと,光源の分光放射スペクトルをデータとしてシステムに保存しておけば,表面による反射光がシミュレーションにより再現されることが分かった。
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