研究概要 |
8種の試料、スルメイカ、ミズダコ、マダコ、シバエビ、アマエビ、ボタンエビ、ブラックタイガー、クルマエビの生肉エキス、加熱肉エキスおよびドリップについて、DPPHラジカル消去活性,ORAC価,SOD様活性の3種のラジカル消去活性を測定し、あわせて各試料のアミノ酸分析を行った。これらのDPPH消去活性は37〜161μmol AsA eq/100g wet wtで、中でもブラックタイガーとスルメイカに高かった。試料重量あたりで比較すると、ハーブ類の活性の約1/5〜1/100程度であったが、一度に摂取できる量を考慮すると、これらのDPPH消去活性は低くはないといえる。ORAC価は1.6〜3.8μmol Trolox eq/g fr wtでミズダコ,マダコ、ブラックタイガー、スルメイカに高かった。試料重量あたりで比較すると,ハーブ類の活性の約1/10〜1/180程度であったが、一食あたりの摂取量を考慮するとDPPH消去活性と同じく低くはない。肉を加熱すると,DPPH消去活性は1.1〜1.8倍に増加する傾向にあった。ORAC価は加熱により,エビ類では増加、イカおよびタコでは減少した。DPPH消去活性とORAC価の相関は低かった。マダコを除く7種の試料では加熱により、ペプチド態アミノ酸が増加した。これはラジカル消去活性と関連がありそうである。そこで、ブラックタイガーのエキスをペプシン、トリプシン,キモトリプシンおよび6N塩酸で分解し、ORAC価を測定したところ、加水分解物のORAC価は未分解物のそれよりも高かった。
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