研究概要 |
1.化学反応教材のグリーンケミストリー化についての基礎的研究: 中・高等学校で化学教材として取り上げられている種々の化学反応について,以下に示すような観点から再検討し,グリーンケミストリー教材への応用の可能性を検討した。 (1)マイクロ波加熱を利用した金属酸化物の炭素還元,有機物の合成反応,および無機固体水和物の熱分解反応の促進 (2)超音波震とうによる固-液反応の促進 (3)機械的粉砕の効果による固相反応の促進 2.中・高等学校におけるグリーンケミストリー教材の開発: グリーンケミストリー反応についての基礎的研究をもとにして中・高等学校における化学実験教材を開発した。 (1)電子レンジを用いた化学カイロ実験廃棄物中の酸化鉄の還元 (2)重金属廃液を用いた酸化マンガン(IV)の合成と触媒としての利用 (3)超音波震とうを利用した塩基性炭酸銅(II)の合成と種々の化学実験への応用 (4)マイクロ波加熱を用いたアスピリンの合成 (5)環境調和型還元剤と超音波の利用によるインジゴ染色実験 (6)ベンゼンのマイクロスケールスルホン化実験 3.中・高等学校におけるグリーンケミストリー教育の教育実践研究 本研究で開発したグリーンケミストリー実験教材と従来法を比較して,グリーンケミストリーの意義を学習させる授業プランを開発し,高等学校における試行授業を通じてその有効性を検証した。 4.中等化学カリキュラムと指導者養成 グリーンケミストリーを志向した中等化学カリキュラムの意義について検討するとともに,教員養成におけるグリーンケミストリー教育およびエネルギー・環境教育の必要性について議論した。
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