研究分担者 |
亀井 修 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部, 専門員 (40415609)
岩崎 誠司 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部, 専門職員 (90259995)
下條 隆嗣 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50014767)
渡辺 政隆 (渡部 政隆) 科学技術政策研究所, 上席研究官 (70356286)
小川 正賢 神戸大学, 発達科学部, 教授 (80143139)
佐々木 勝浩 独立行政法人国立科学博物館, 理工学研究部, 部長 (90089376)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
2006年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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研究概要 |
本研究の結果,以下のような知見が得られた。 (1)国立科学博物館における事例では,「博物館職員」と「博物館の資料」という科学系博物館特有の学習資源との触れ合いが児童の好意的態度の形成に大きく関与していることが明らかになった。このような科学と人々を「つなぐ」科学コミュニケーターの役割は重要であり,それには,わかりやすく伝えるコミュニケーション能力,コミュニケーション環境を整えるコーディネート能力及び専門性が必要である。 (2)海外調査において,大学が主体となって科学館と連携した実践的な科学コミュニケーター養成講座が展開されている。オーストラリア国立大学科学意識向上センターは国立科学技術館と連携して,学生が科学技術館のアウトリーチ活動に従事するものである。また米国のUCサンタクルス校では,サイエンスライターの養成コースの他に,博物館職員を対象にしたインフォーマルな科学教育に関するコース等がある。このコースは英国のインペリアルカレッジと米国内のエクスプロラトリアムと連携して,科学コミュニケーター養成講座を展開している。 (3)明らかになった科学コミュニケーターに期待される資質・能力をもとに,国立科学博物館において博物館と大学が連携した養成講座を開発し,試行した。なお開発した養成講座は、平成19年度筑波大学大学院の科目として認定される予定である。 (4)国際シンポジウムにおいて,大学等を中心にいくつかの科学コミュニケーター養成講座が報告された。海外の事例も勘案すると,概ね「一般」「研究」「専門家」「理科教員」を対象とした科学コミュニケーター養成モデルが考えられる。 今後は科学コミュニケーターとしての専門性の確立とキャリア・パスの向上のために,単位認定や学位につながる養成制度の確立など,科学コミュニケーターの裾野を広げる戦略的な視点を持つことが重要である。
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