研究分担者 |
橋爪 誠 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90198664)
田上 和夫 九州大学, 大学病院, 准教授 (40294920)
家入 里志 九州大学, 大学病院, 助教 (00363359)
前田 貴司 九州大学, 大学院・医学研究院, 客員准教授 (00284513)
小西 晃造 九州大学, 大学院・医学研究院, 寄附講座教員 (90380641)
掛地 吉弘 九州大学, 大学病院, 助教授 (80284488)
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配分額 *注記 |
15,730千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 930千円)
2007年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2006年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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研究概要 |
ロボット手術のトレーニング効果 77人の外科医を対象とし手術支援ロボットはda Vinciを使用した。プログラムは2日間で行い、胆嚢摘出術及び消化管吻合術の習得を目的とし、その前後にDry Labでの実際の手術手技に基づく5つのTask(Pegboard Pattern,Running string,Pattern cutting,Ligation,Suturing)を2回行うことでトレーニング効果を判定した。各Taskの評価は完遂するまでの時間(speed)と正確さ(error)により評価した。さらにそのTotal scoreの上昇がspeedとerrorのいずれに起因するのかを検討した。すべてのTaskにおいてトレーニング前後で有意にTotal scoreの上昇を認めた。(すべてP<0.0001)またすべてのTaskにおいてのSpeedの有意な向上(すべてP<0.0001)を認めた。ErrorではTask1(P<0.001),4(P<0.005),5(P<0.001)において有意な改善を認めた。5つのTaskのうちRunning StringやPattern Cuttingなどの比較的簡単な操作においてはTotal Scoreの改善は速度の向上によるものであり、LigationやSuturingなどの実際に行う手術手技では、Errorの減少によりTotal Scoreの改善が認められた。内視鏡下外科手術の経験の多寡にかかわらず、Scoreの向上を認めており、ロボット手術のトレーニングは短期間でも安全で確実な手術操作の習得をもたらすものと考えられた。 遠隔ロボット手術実験 Operation Lindbergにより遠隔手術が現実のものとなったが以降海外を結ぶ臨床例は行われていない。我々は国産の低侵襲手術支援システムを用いこれまで国内(東京-静岡:150km)および国外(ソウル-福岡:540km・バンコク-福岡:3700km)を結び遠隔ロボット手術実験を行った。大動物を対象とし術式はすべて腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った。接続回線は東京-静岡:ISDN,ソウル-福岡:KJCN,バンコク-福岡:JGNIIを,画像転送はそれぞれMPEG,DVTS,MPEG2を使用した。すべての実験で手術に成功した。術者体感時間遅れ(msec)は東京-静岡:592.5,ソウル-福岡:592.5,バンコク-福岡:582.4であった。遠隔ロボット手術の普及には高価な専用回線よりも安価なインターネット回線の利用が現実的で、そのためにはセキュリティと、手術可能品質を維持した遅延最小限の映像伝送が必要である。
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