研究課題/領域番号 |
16300287
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
稲葉 政満 東京芸術大学, 大学院美術研究科, 教授 (50135183)
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研究分担者 |
桐野 文良 東京芸術大学, 大学院美術研究科, 助教授 (10334484)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2005年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2004年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 酸性紙 / アルカリ性紙 / 中性紙 / 変色 / 挿入法 / 促進劣化試験 |
研究概要 |
実際の紙資料の保存状態に近い紙の保存性試験として挿入法を提案した。この方法により、アルカリ性紙と酸性紙が接触すると両者に大きな変色を生じることがあることを示した。この結果は、アルカリ性紙(いわゆる中性紙)を用いれば良しとした従来の考え方を覆すものであり、紙資料保存の現場で深刻に受け止められている。 80℃で酸性紙とアルカリ性紙の両者を重ねて促進劣化させる挿入試験では、変色は40%RHから80%RHの湿度範囲では湿度上昇に伴って上昇した。このことは、酸加水分解反応が温度と水分量の上昇によって促進されたためと考えられる。一方、95%RHで圧力をかけた場合には変色が抑えられた。95%RHではアルカリ性紙から酸性紙にCaイオンが転移するのみでなく、酸性紙中の硫酸イオンやアルミニウムイオンが接触しているアルカリ性紙や中性紙に転移して、酸性紙のpHが上昇し、酸加水分解反応が抑えられたために、変色が抑えられたことが明らかとなった。 硫酸アルミニウム含有紙では含有しない紙と比較して同一pHでもアルカリ性紙への挿入試験で変色が大きくなる傾向が示された。そのため、保存に用いる紙には硫酸アルミニウムの使用を控えるのが望ましい。 文化財保存現場で使用されている主なアルカリ性紙と中性紙について酸性紙の変色に及ぼす影響を検討した。酸性紙の変色はアルカリ性紙のpHが高いほど大きかった。よって、酸性紙の変色を防止するにはアルカリ度の低い紙を用いるほうが良いことがわかった。
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