研究課題/領域番号 |
16310011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
伴 修平 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (50238234)
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研究分担者 |
大田 啓一 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (80022250)
須戸 幹 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (50206570)
熊谷 道夫 琵琶湖, 環境科学研究センター, 統括研究員 (40234512)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2004年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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キーワード | 代かき水 / 琵琶湖 / アンモニア亜表層極大 / 植物プランクトン生産 / 内部ケルビン波 / 窒素安定同位体比 / 物質輸送 / 湖底堆積物 / セストンδ^<13>C / セストンのδ^<15>N / アンモニア / 植物プランクトン / 内部波 / アンモニアの排出 / 動物プランクトン |
研究概要 |
琵琶湖北湖では4月下旬から7月上旬にかけて、アンモニアの亜表層極大が観察され、これが湖を横断して存在することを明らかにした。そして、田植えが終わった直後の5月中旬には植物プランクトンの栄養塩制限が緩和され、一次生産が促進されることを確かめた。窒素安定同位体比の分析によって、水田由来の窒素は、5月以降、いったん沿岸域に沈降した後、表層の植物プランクトンに取り込まれていることが示唆された。動物プランクトンによる排出によってアンモニア亜表層極大を形成する可能性が示唆されたが、リンの排出量が極めて低いことから、一次生産の促進にはあまり寄与しないと考えられた。そして、このことはアンモニアの亜表層極大が必ずしも沿岸からの栄養塩供給の指標とはならないことを示唆した。 ADCPとサーミスターチェーンによって、5月以降に内部ケルビン波の卓越することが明らかとなり、琵琶湖東岸湖底斜面に衝突することによって温度躍層下部(20m層付近)に沖への流れが作り出されることが示された。農薬は水田起源の水塊を指標すると考えられるが、沖帯でも表層だけでなく20m層にもピークの現れることが認められ、ADCPの分析結果を支持した。現段階で考えられるシナリオは以下の通りである。代かき・田植えによって排出された多量の濁水(代かき水)は、琵琶湖に流入するといったん沿岸域に堆積する。これらには水田由来のアンモニアが吸着しており、湖底に堆積した後に溶出し、堆積物間隙水中に蓄積される。内部波などによって沿岸堆積物が撹乱されることによって、これら堆積物間隙水中の栄養塩が湖水中に供給され、沖帯まで運ばれる。運ばれた栄養塩を用いて、植物プランクトン生産が促進される。この仮説をさらに補強するためには、堆積物間隙水中のアンモニア態窒素のδ^<15>Nと湖水中の硝酸態窒素のδ^<15>Nを測定する必要があるだろう。
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