配分額 *注記 |
15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
2006年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2005年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2004年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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研究概要 |
陽子移動反応質量分析計(PTR-MS)を用いて,植物の有害VOC吸収能力を評価するため,以下の実験をした. 1.PTR-MSによるVOCガス種ごとの測定法の確立,特に湿度の影響の評価 2.植物へのVOC沈着を吸収と吸着に分別して測定する方法の開発 3.各植物種のVOC除去能力の評価 4.光強度や暴露濃度とVOC沈着量の関係の検討 5.群落へのVOC沈着フラックス測定方法の開発 6.日本の代表植生であるコナラ林による主要VOC除去量の測定 1に関しては,暴露対象物質である,低級アルデヒド類(〜C5),ケトン類(〜C5),アルコール類(〜C5),芳香族炭化水素(〜C7)の陽子移動反応後のフラグメントイオンを同定し,これらのイオン量におよぼす湿度の影響を調べた. 2に関しては,ヘンリー定数から葉に可溶なVOC量を算出し,暴露中に吸収されたVOC量と比較した結果,植物によって吸収されたVOCが何らかの代謝系で消費されていることを明らかにした. 3に関しては,観葉植物や樹木苗を用い,ケトン類,アルデヒド類および芳香族炭化水素を暴露した.アルコール類およびケトン類は全ての植物に吸収されたが,芳香族炭化水素のベンゼンとトルエンでは吸収は認められなかった. 4では,光強度を変えた実験から,VOCは気孔から吸収されることが裏付けられた.また,植物はこれら有機ガスを速やかに気孔から吸収し,葉内で代謝できることわかつた. 5では,群落へのVOC沈着量を精度よく測定可能な簡易渦集積法(REA)用のVOC自動濃縮採取装置を改良した.ヒーターや高応答性電磁弁を用いることで,±5%の精度でVOC濃度を測定可能となった. 6では,イソプレン酸化物であるメチルビニルケトンおよびメタクロレインが,植生によって吸収されている事実を明示した.以上の実験で,植物の有害VOC吸
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