研究課題/領域番号 |
16310030
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価・環境政策
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
市瀬 孝道 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (50124334)
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研究分担者 |
吉田 成一 大分県立看護科学大学, 看護学部, 講師 (40360060)
定金 香里 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (20322381)
平工 雄介 三重大学, 医学部・衛生学教室, 講師 (30324510)
高野 裕久 国立環境研究所, 病態生理研究, 領域長 (60281698)
西川 雅高 国立環境研究所, 環境分析科学, 室長 (80228171)
川西 正祐 三重大学, 医学部・衛生学教室, 教授 (10025637)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,700千円 (直接経費: 15,700千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2004年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | 黄砂 / 肺毒性 / アレルギー / 気管支喘息 / アレルギー性鼻炎 / 酸化的DNA損傷 / 8-oxo-dG / 環境ホルモン |
研究概要 |
1.黄砂の肺毒性、アレルギーへの影響 黄砂の生体影響として、(1)黄砂のマウス経気道暴露は、好中球炎症を誘発するサイトカイン発現を伴って気管支炎や肺胞炎を惹起すること、(2)卵白アルブミン等の抗原を用いたマウスの気管支喘息モデル実験では、黄砂が喘息病態を悪化させること、この時、好酸球性炎症を誘発するサイトカイン・ケモカインが著しく誘導されること、更に、血中の抗原特異的-IgE, IgG1抗体の産生が増加する。(3)モルモットスギ花粉症モデルに対して、黄砂がくしゃみ、鼻水、鼻づまり等の症状を悪化させ、鼻粘膜における好酸球性炎症を増悪し、更に、抗原特異的-IgE抗体の産生増加を誘導すること等を明らかにした。 2.黄砂の活性酸素生成によるDNA傷害 培養細胞とマウスを用いて黄砂や種々の実験的粒子(SiO_2,Al_2O_3)による8-ニトログアニン(8-nitroG)と8-オキソデオキシグアノシン(8-oxodG)生成量を調べた。その結果、SiO_2に8-nitroGの増加が見られたことから、黄砂中のSiO_2が活性酸素を生成してDNA傷害を引き起している可能性を示唆した。 3.黄砂の内分泌撹乱(生殖器系)への影響 In vitroの実験では、マウス精巣ライディッヒ細胞株(TM3細胞)に黄砂を処理し、内分泌かく乱作用の指標である、エストロゲンレセプター(ER)mRNAおよびCYP1A1 mRNA発現量を測定した。黄砂処理により、CYP1A1 mRNA発現の誘導が認められ、黄砂はAhレセプターを介した内分泌かく乱作用を有していることが示唆され、また、ER mRNA発現の誘導も認められた。マウスを用いたIn vivo実験では、黄砂は精巣、精巣上体重量に変動は認められなかったが、一日精子産生能の低下および、精巣間質性水腫の発症が認められ、黄砂は雄性生殖系へ影響を及ぼす可能性を有している。
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