研究課題/領域番号 |
16310033
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
東谷 篤志 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (40212162)
|
研究分担者 |
小林 泰彦 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門・バイオ応用技術研究ユニット, 研究グループリーダー (50354957)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
16,580千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 1,080千円)
2007年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2006年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
|
キーワード | アポトーシス / 細胞周期 / ミトコンドリア / チェックポイント / DNA損傷 / 放射線 / バイスタンダー効果 / 強磁場 / G1停止 / 生殖 / 減数分裂 / 重イオン線 / マイクロビーム |
研究概要 |
低線量の放射線被曝による生物効果や放射線マイクロビーム照射装置の開発により、ゲノムDNAが直接的な損傷を受けない場合でも、細胞は様々な放射線の影響を感受していることが、近年、示唆されてきた。なかでもマイクロビーム照射装置の開発により、直接放射線の被曝を受けなかった周辺の細胞においても、放射線の影響を感受し、様々な生物応答に至るバイスタンダー効果が存在することが知られてきた。本研究では、主に重イオンマイクロビーム照射装置ならびにブロードビーム照射装置を用いて、線虫の生殖細胞形成における放射線照射の影響、特にDNA損傷の修復、アポトーシス、そしてバイスタンダー効果に関する分子機構について解明することを研究目的とした。 研究成果としては、線虫に、種々の放射線、(γ線、重イオン線、個体表層のみの重イオン線、直流強磁場)を照射し、DNAマイクロアレイを用いて全ゲノム2万遺伝子に対するそれぞれの応答性について明らかにした。また、放射線照射によるDNA損傷を修復するために細胞周期を一過的に停止し、修復後、再開するために働く、ユビキチンリガーゼ複合体を同定した。また、ヒト原ガン遺伝子abl-1の線虫における欠損変異体では、放射線照射時にアポトーシスを高頻度に誘導することが報告されていたので、線虫abl-1の欠損変異体を用いて、同様に、放射線照射時の遺伝子発現について網羅的な解析を行った結果、これらアポトーシスの誘導因子のさらなる発現上昇が確認されるとともに、p38 MPKを介した応答や活性酸素の発生などに関わる幾つかの分子で、abl-1の欠損変異体においては、発現が有意に低下する現象を確認した。また、放射線は細胞に活性酸素障害を与えることも予測されるので、ミトコンドリア障害時の発現変動との相関についても比較解析し、ゲノムレベルでの各種放射線応答の理解を深めた。
|