研究課題/領域番号 |
16310037
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
加藤 昌志 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (10281073)
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研究分担者 |
神林 康弘 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (20345630)
荻野 景規 岡山大学, 医歯薬学研究科, 教授 (70204104)
中島 泉 中部大学, 生命健康科学研究所, 教授 (40022826)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | ヒ素 / RET / チロシンキナーゼ / スーパーオキサイドディスミュターゼ / 癌 / スーパー活性化 / 発癌機構 / アミノ酸 / スーパーオキサイド / 癌遺伝子産物 / ERK / ゼラチン分解酵素 |
研究概要 |
アジア各地で飲用水のヒ素汚染が大きな問題となっている。バングラデシュや西インドでは、ヒ素誘発癌の潜伏期が過ぎようとしており、癌患者が爆発的に増加し始めており、早急にヒ素が癌を誘導する機構を解明し、予防・治療方法を確立する必要がある。本研究では、ヒが、癌遺伝子産物であるRETチロシンキナーゼをはじめとするシグナル伝達分子をどのような機序で活性化するのかについて調べた。 【結果】 1)ヒ素による癌遺伝子産物のスーパー活性化作用 RET癌遺伝子産物は、遺伝子変異により、c-RETに比較して3-10倍程度キナーゼ活性が亢進している。ヒ素は、既に活性化されているこれらのキナーゼをさらに3-10倍程度も元進させた(スーパー活性化)。スーパー活性化は、ヒ素により刺激されたRET-MEN2Aキナーゼの活性が、刺激を受けていないc-RETに比較して、最大で100倍程度活性を上昇させる事を示している。 2)ヒ素によりリン酸化されるRET分子のチロシンの同定 RETチロシンキナーゼの活性化およびトランスフォーミング活性の制御には、チロシン905(Y905)およびチロシン1062(Y1062)のリン酸化が重要であることが報告されている。本研究では、ヒ素はY905およびY1062の両方のチロシンをリン酸化することを明らかにした。 3)スーパーオキサイドディスミュターゼ(SOD1)の作用 ヒ素により誘導されるRETキナーゼの活性化は、SOD1によって抑制できない事を明らかにした。この結果は、紫外線とヒ素の作用機序に異なる部分がある事を示している。 【結論】 ヒ素について、癌遺伝子産物の活性修飾を介した新機構を発見した。
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