研究課題/領域番号 |
16310042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
竹内 一郎 愛媛大学, 農学部, 教授 (30212020)
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研究分担者 |
杉本 敦子 北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 教授 (50235892)
高木 基裕 愛媛大学, 農学部, 助教授 (70335892)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2006年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 環境化学物質 / 生物濃縮特性 / 浅海域生態系 / 有機スズ化合物 / 有機塩素化合物 / アルキルフェノール類 / 多環芳香族炭化水素 / 窒素安定同位体 / 炭素安定同位体 / 沿岸域生態系 / PCB / DDT / トリブチルスズ / トリフェニルスズ |
研究概要 |
本研究では東京湾等の浅海域生態系から様々な生物を採集し、トリブチルスズ(TBT)等の有機スズ化合物、ポリ塩化ビフェニル(PCBs)やジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDTs)等の有機塩素化合物、ノニルフェノール等のアルキルフェノール類や多環芳香族炭化水素(PAHs)等の人工化学物質濃度、及び、窒素安定同位体比(δ^<15>N)を測定し、これらの化学物質の食物連鎖網中における生物濃縮特性を解析した。 有機スズ化合物のうちTBT等はδ^<15>Nの間に有意な正の相関関係は得られなかったが、トリフェニルスズ(TPT)とδ^<15>Nの間に有意な正の相関関係が得られ、生物濃縮がおこることが確認された。また、DDTs、PCBs、クロルデン(CHLs)やtris(4-chlorophenyl)methane(TCPMe)等の有機塩素化合物もδ^<15>Nが増加するに従い有意に濃度が増加し、生物濃縮がおこることが認められた。一方、アルキルフェノール類やPAHsは、PCBsやDDTs等の有機塩素化合物とは異なり、いずれも、食物連鎖の上位の生物でも濃度が増加せず、むしろδ^<15>Nとは有意な負の相関関係があった。 以上より、浅海域生態系の食物連鎖網中でオクタノール・水分配係数(Log Kow)が5.5よりも高いPCBsやDDTs等の有機塩素化合物は生物濃縮がおこるものの、Log Kowが5.5よりも低い有機スズ化合物、アルキルフェノール類やPAHsは、TPT以外は全て生物濃縮しないことが明らかになった。Log Kowの低いこれらの化学物質は脂溶性が低いために生物濃縮しないものと考えられた。
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