配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2006年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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研究概要 |
本研究において以下の成果を得る事ができた。 (1)光触媒・超音波照射法によるOHラジカル生成機構:二酸化チタンへの超音波照射時のOHラジカルの生成機構に関して,溶液中に粒子が存在する場合キャビテーション気泡の生成が促進され,気泡圧壊による局所高温場(>5000K)での二酸化チタンの熱励起によってOHラジカル生成量が促進すると考えられる。またソノルミネッセンスによる光触媒作用でもOHラジカルの生成が促進する可能性がある。 (2)有害微生物の殺菌:二酸化チタン・超音波触媒法による殺菌法の優位性は,OHラジカルによる病原性微生物の細胞膜傷害のみならず,キャビテーション気泡の崩壊時に二酸化チタン界面近傍で生ずる超高速の流れ(ジェットストリーム)及び衝撃波による物理的な細胞膜傷害が挙げられる。またキャビテーション気泡圧壊時に形成される高温・高圧場の形成も極めて有効に殺菌に寄与する。 (3)機能性二酸化チタン微粒子の構築と光触媒活性の評価:磁性をもつ粒子に二酸化チタン層をコーティングすることで、磁場の付加により水相から簡便に分離・回収可能な機能性二酸化チタン微粒子を作製した。また抗エストロゲン抗体のアミノ基を縮合試薬で結合することで,二酸化チタン・ナノ粒子に抗エストロゲン抗体を固定化することに成功し,極めて低濃度のエストロゲンを二酸化チタン・ナノ粒子表面に濃縮し高効率で分解できることを示した。 (4)有害化学物質の分解及び病原性微生物殺菌のためのリアクターの開発:二酸化チタン・超音波照射法を用いたリアクターでの実用化を目指し,プロトタイプの流通管型反応装置を試作した。この試作装置では大腸菌濃度が100,000cells/mL,あるいは環境ホルモンであるビスフェノールA(濃度1ppm)を含む処理水(10L)を30分以内で完全に殺菌あるいは分解する事に成功した。
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