研究課題/領域番号 |
16310076
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
戸田 泰則 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00313106)
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研究分担者 |
足立 智 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (10221722)
荒川 泰彦 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30134638)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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キーワード | 窒化物半導体 / 非線形分光 / 二光子吸収 / 励起子 / 時間分解分光 / 四光波混合分光 / 不純物 |
研究概要 |
半導体では歪や欠陥がデバイス性能に直結するため、その影響はこれまで広く研究されてきた。格子欠陥は結晶成長条件や基板、構造に応じて3次元的にスケールの異なる様々な種類が存在する。またヘテロエピタキシャル薄膜で重要となる歪も、結晶内部の局所的な効果をもち、不純物や欠陥とも関連する。したがって歪や欠陥の影響を調べるためには、より詳細な、例えば3次元ナノイスケールメージング等の新しい測定技術が必要とされている。本研究では3次元イメージングを実現するため、非線形光学遷移の利用に着目し、i)バンド端以下の光子エネルギーを利用した2光子吸収(TPA)による3次元イメージングとii)励起子非線形性を用いた歪の高感度検出を実現した。これらの研究成果はGaNだけでなくナノ構造を含む幅広いデバイス物質に応用可能であり、高機能物性評価手法として今後の展開が期待できる。TPAイメージングでは非線形性を利用した高空間分解能をもつ欠陥分布の3次元イメージングに成功した。超短パルスを用いたポンププローブ分光をベースにしているため、デバイス性能評価指数となる二光子吸収係数の情報を取得可能である。またこの吸収係数の分布をもとに、GaN薄膜中では局所的な高密度欠陥準位が存在し、著しく高い吸収係数を示すことを明らかにした。別の縮退FWMをベースとした非線形分光では、高感度歪計測に成功した。電子-正孔対(励起子)の分極回折格子を利用すると、三次の非線形効果により汎用光学評価法と比べて累乗倍の異方性増強が実現される。そのため結晶に内在する不純物や欠陥にもとづく歪の高感度測定が可能となる。複数のGaN試料を用いて装置の性能評価を実施し、分裂エネルギーと強度比から算出される歪と応力を見積もった結果、X線解析装置と同等の歪解析能力を達成していることを明らかにできた。
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