研究課題/領域番号 |
16310083
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
押山 淳 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (80143361)
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研究分担者 |
白石 賢二 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (20334039)
BOERO Mauro 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (40361315)
岡田 晋 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (70302388)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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キーワード | ナノ物質 / バイオ物質 / 量子論 / 電子状態 / ナノ形状 / 密度汎関数理論 / Car-Parrinello分子動力学 / 計算科学 / Car-Parrinello分子動力学法 / Car-Parrinello法 / 密度汎関数法 |
研究概要 |
計算手法の開発の側面では、ふたつの特記すべき進展が見られた。第一は、大規模密度汎関数法計算のための実空間差分法の開発である。密度汎関数理論に基づく、全エネルギー・電子構造計算を、実空間格子点上で行う独自の実空間差分法コード(RSDFT)を開発した。実空間手法は、フーリエ変換などの並列計算機上で多くの通信量が発生する手続きを必要としないため、次世代京速計算機では有利なアルゴリズムである。このRSDFTを用いてSi中のdivacancyの原子構造決定を行った。第二の進展は、Car-Parrinello分子動力学法にメタ・ダイナミクスを導入したことである。これにより、原子反応を計算機上で促進させ、自由エネルギー障壁を定量的に計算する目処がたった。リボザイムでの自己切断反応、シトクローム酸化酵素でのプロトン輸送現象に応用された。 こうした量子論に立脚した計算物理学的手法により、物質科学の側面で、以下のような成果が得られた。(1)Siテクノロジーで重要なSi_O2膜、HfO_2膜中の原子空孔の構造決定と、それによって引き起こされる欠陥準位の同定、さらにはそうした絶縁膜中での原子拡散機構の解明がなされた。(2)SiO_2へのレーザー照射によるSiナノ結晶生成の可能性を例示した。(3)炭素ナノ・シャトルコックでの磁性を含む新物性の予測を行った。(4)金属および半導体表面上での炭素ナノチューブの安定構造決定と、チューブ物性が化学結合によって改変されることが発見された。(5)蛋白質において、ペプチド鎖を縦断する新しいプロトン輸送の機構を提唱した。 これらの計算により、ナノメートルのスケールの形状が、電子物性に大きな影響を与えることが明らかにされた。
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