研究概要 |
1.ナノチューブを用いた発光・発熱ツール 発光・発熱ツールを作成しシステムに組み込んだ後,近赤外ディテクタで分光計測を行い,その放射スペクトルがプランクの黒体輻射である事を確認した.次に,この領域に吸収をもつ試料(高OH濃度石英ファイバ)の吸収スペクトルの計測にナノツールを用い妥当な吸収スペクトルを得た.また,到達温度とナノチューブの長さの関係を検討した結果,2000K程度の高温域に於けるナノチューブの熱伝導度が室温の銅と同程度と高い事,および,ナノチューブが短くなると熱伝導度が低下し,これがフォノンの平均自由行程で説明できる事を見いだしフォノン散乱長が約270nmであると見積った. 2.ナノチューブ・ナノツールのSPMシステムへの組み込み 環境制御型でガス導入可能なSPMに非接触AFM検出系を搭載し,ナノツールをシステムに組み込む準備が完了した. 3.ナノチューブヒーターを用いた局所ホットフィラメントCVD(秋田) 局所CVDに先立ちアルコールを原料ガスとする熱CVD装置の立ち上げと成長を行い触媒の検討を行った.Co/Mo混合触媒を用いる事で良好なナノチューブの成長を確認し,これを用いたFETも作製した.また,減圧下でガス導入を行う予備実験としタングステンヘキサカルボニルを原料ガスとしSEMチャンバー内に導入し電子線誘起堆積をナノチューブ先端部に行った.本堆積物の物性を調べるためにナノチューブを用いた超高感度質量計測法を考案し,各種条件におけるナノスケール堆積物(直径100nm以下)の密度計測に成功した. 4.ナノチューブ・ナノツールによるナノ加工(中山) 発熱ツールとしてナノチューブ先端に堆積した直径100nm以下の非晶質カーボンの加熱/蒸発に成功した.
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