研究課題/領域番号 |
16310091
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
高田 寛治 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30102106)
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研究分担者 |
伊藤 由佳子 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (30278444)
芝田 信人 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (60319449)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 経口DDS / 吸収促進 / キャリヤー / 蛋白薬 / エリスロポエチン / 吸収促進剤 / ラット / インターフェロン |
研究概要 |
代表的な難・低吸収性薬物であるエリスロポエチン(EPO)と吸収促進用の界面活性剤からなる超分子複合体をカーボンナノチューブに保持させ、ラット小腸吸収細胞までデリバリーすることにより、難・低吸収性薬物の吸収を可能とすることを検証実験により証明することができた。ゲンタマイシンのような難・低吸収性有機化合物薬物の場合には、カーボンナノチューブシステムの優位性は示されなかったが、蛋白薬においてカーボンナノチューブのDDS用キャリアーとしての有用性が証明できた。代表的な蛋白薬であるEPOの場合、ラット小腸内投与時のバイオアベイラビリティは11%にも達した。蛋白薬の経口吸収改善に関する研究は、エマルジョン、マイクロカプセル、吸収促進剤などを用いて数多くの研究者により行われてきている。しかし、経口投与時のバイオアベイラビリティはせいぜい数%であったことから考えると、カーボンナノチューブによる今回のEPOのバイオアベイラビリティ改善効果は蛋白薬の経口製剤化へ向けての大きな前進であると言えよう。しかし、カーボンナノチューブ自体の製造ロット間のバラツキならびに凝集が蛋白薬の吸収促進に著しい影響を及ぼすことが明らかとなった。カーボンナノチューブの凝集を解除するために、切断、溶解、分離、精製などの各種の試みを行った。その結果、軸長の短いカーボンナノチューブがDDS用キャリヤーとして有用であることが明らかとなった。また、in vivoにおいてラット小腸の腸管内消化酵素(プロテアーゼ)による蛋白薬EPOの加水分解を防止するために、加水分解の競合的阻害剤としてcaseinおよびlactoferrinの添加を試みたところ、蛋白薬であるEPOの安定性を著しく向上し、高いバイオアベイラビリティの値を得ることができた。本研究の成果を生かして、難・低吸収性薬物の経口デリバリー用キャリアーとしてカーボンナノチューブの用途開発を進めていくことの有用性が示された。
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