研究課題/領域番号 |
16310092
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
金子 忠昭 関西学院大学, 理工学部, 教授 (50291977)
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研究分担者 |
松田 祐介 (松田 裕介) 関西学院大学, 理工学部, 助教授 (30291975)
佐野 直克 関西学院大学, 理工学部, 教授 (00029555)
田中 祐二 関西学院大学, 理工学研究科, 博士研究員 (20351744)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2004年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | 珪藻殻 / バイオミネラリゼーション / バイオシリカ / 半導体ナノパターニング / 組換シラフィン / GaAs / 半導体プロセス / 自己組織化 / ナノパターニング / プロテインチップ / 新機能素子 |
研究概要 |
半導体ナノ領域のプロセス技術では、構造物の自己組織化過程として、生体鉱物化機能(バイオミネラリゼーション)の応用が注目されている。珪藻は、被殻形成時の高度な自己組織化機能を有しており、次世代ナノテク技術への展開が期待されている。珪藻タンパク質の機能発現に関する研究には、1999年Krogerらによって、顆粒状固体シリカを形成させる機能タンパク質silaffinが、Cylindrotheca fusiformisの被殻から精製された。2005年、我々の研究グループは大腸菌の形質転換を利用した組換silaffinの大量発現系の構築に成功し、silaffin活性を初めて確認した。本研究では、新しい組換えsilaffinの大量精製法の確立ならびにシリカ粒形成に関する機能発現の実証、さらに化合物半導体GaAs基板をsilaffinに対する支持担体に選び、選択的固定化が可能となる条件探索を具体的な目的とした。 珪藻Cylindrotheca fusiformisの被殻から単離されたSilaffinは珪酸存在下でシリカ沈積能を有する機能ペプチドである。それは遺伝子上では7回のタンデムリピートとしてコードされているが、機能については不明であった。本研究では分子生物学的手法を用いて、7回タンデムリピート型及び単リピート型の2種類の組み換えSilaffinの発現系を構築し、シリカ沈積能について詳細な比較解析を行った。その結果、両型のどちらの場合も、シリカ沈積能を有していることが明らかになった。次に形成されるシリカ粒形状について比較したところ、1μMの7回タンデムリピート型から形成されるシリカ粒の平均サイズΦ350nmに対し、7μMの単リピート型ではシリカ粒の平均サイズΦ400nmであった。このことから、組み換えSilaffinに含まれる機能ペプチドのユニット数を改変することで、シリカ粒サイズ制御の可能性が示唆された。 silaffinの固体表面への固定に関する研究では、半導体基板上への直接固定化に関しては報告されていない。一般に、タンパク質の固定化には、電気的要因(イオン電荷均衡)と構造要因(表面形状)が知られている。本研究では化合物半導体GaAsを対象に電気的要因として、GaAs基板の面極性((100),(110),(111)A,(111)B)についてsilaffinの吸着率を評価したところ、(111)A>(100)>(110)>(111)Bの順序で固定化が選択的に行われることを初めて見出した。本機能の発現により、GaAs微細加工を施した、極性の異なる結晶面で囲まれた微小"反応領域"において、選択的なシリカ粒形成機能を制御できる可能性が示唆された。
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