配分額 *注記 |
15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
2006年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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研究概要 |
医薬活性小分子の生体内標的タンパク質を特定するための新規方法論の開発を主要研究課題とした。 一年目と二年目では、抗腫瘍薬カンプトテシン,エトポシド(リガンド)の結合タンパク質(受容体)を決定することを目的として研究した。医薬小分子と結合タンパク質との結合能(アフィニティー)に着目し,容易に増幅可能なDNAを利用して結合タンパク質を決定するファージディスプレイ法を改良し,リガンド-タンパク間の親和性の高いファージを選択的に得た。このcDNA配列を解析することで,その領域を含む遺伝子をゲノムデーベースから特定することを試みた結果、カンプトテシンの二化合物からはオーファン受容体GPCRの一種でプロスタグランディン受容体のEP1を、エトポシドからは細胞周期に関わる転写因子E2Fの配列が予測された。発現タンパク質との結合をSPRで解析し,結合タンパク質であることを決定した。 三年目では、(1)タンパク質のアフィニティ精製に適した有機合成用樹脂を探索するため、非特異的な結合を排除したアフィニティクロマトクラフィー法を開発することにより、受容体のFKBP12を濃縮できることを示すとともに、(2)固体表面に自己組織単分子膜を形成さたファージディスプレイ法とQCM法を組み合わせたQCM-PD法を考案した。その結果、わずか10分間の操作で65%の高効率で受容体遺伝子FKBP12を選抜することに成功した。 これらの結果は,細胞などを使ったこれまでの研究からは見出すことの出来なかったものであり,ゲノム解析による成果の一端であるとともに、医薬をはじめとする小分子受容体・結合タンパク質決定研究への普遍的な応用が期待される。
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