研究課題/領域番号 |
16320011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 学習院大学 (2005-2006) 大阪大学 (2004) |
研究代表者 |
中村 生雄 学習院大学, 文学部, 教授 (50217832)
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研究分担者 |
岡部 隆志 共立女子短期大学, 文科, 教授 (50279733)
佐藤 宏之 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50292743)
原田 信男 国士舘大学, 21世紀アジア学部, 教授 (20208680)
三浦 佑之 千葉大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (90104091)
六車 由実 (六車 由美) 東北芸術工科大学, 芸術学部, 助教授 (30347934)
田口 洋美 東北芸術工科大学, 芸術学部, 教授 (70405950)
松井 章 独立行政法人奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター室, 室長 (20157225)
永松 敦 宮崎公立大学, 人文学部, 助教授 (30382451)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2004年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 自然 / 環境 / 狩猟 / 農耕 / 焼畑 / 動物供犠 / 血 / 暴力 / 縄文 / 東アジア |
研究概要 |
本研究では、日本および隣接東アジア地域の狩猟民俗と動物供犠の幅広い事例収集を通じて、西洋近代率会において形成された「供犠」概念の相対化と批判的克服を行ない、東アジアにおける人と自然の対抗・親和の諸関係を明らかにすることを目的とした。言うまでもなく、狩猟と供犠は人が自然にたいして行なう暴力的な介入とその儀礼的な代償行為として人類史に普遍的であるが、その発現形態は環境・生業・宗教の相違にしたがって各様であり、今回はその課題を、北海道の擦文・オホーツク・アイヌ各文化における自然利用の考察、飛騨地方の熊猟の事例研究、沖縄におけるシマクサラシやハマエーグトゥといった動物供犠儀礼の実地調査などのほか、東アジアでの関連諸事例として、台湾・プユマ(卑南)族のハラアバカイ行事(邪気を払う行事)と猿刺し祭、中国雲南省弥勒県イ族の火祭の調査をとおして追求した。 その結果明らかになったことは、日本本土においては古代の「供犠の文化」が急速に抑圧されて「供養の文化」に置き換わっていったのにたいして、沖縄および東アジアの諸地域においては一連の祭祀や儀礼のなかに「供犠の文化」の要素と「供養の文化」の要素とが並存したり融合して存在する事例が一般的であることであった。そして後者の理由としては、東アジアにおけるdomesticationのプロセスが西南アジアのそれに比して不徹底であったという事実に加え、成立宗教である仏教・儒教の死者祭祀儀礼や祖先観念が東アジアでは地域ごとに一様でない影響を及ぼし、そのため自己完結的な霊魂観や死後イメージが形成されにくかった点が明らかになった。またく狩猟民俗と動物供犠とに共通する「殺し」と「血」の倫理学的・象徴論的な解明、さらには、人間と自然とが出会うとき不可避的に出現する「暴力」の多面的な検証が不可欠であることが改めて確認された。
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