研究課題/領域番号 |
16320050
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
呉人 徳司 東京外国語大学, アジアアフリカ言語文化研究所, 准教授 (40302898)
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研究分担者 |
中山 俊秀 東京外国語大学, アジアアフリカ言語文化研究所, 准教授 (70334448)
風間 伸次郎 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (50243374)
呉人 恵 富山大学, 人文学部, 教授 (90223106)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,040千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 1,140千円)
2007年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2006年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 複統合性 / 北東シベリア / 北アメリカ / 先住民言語 / 類型論 / 消滅の危機に瀕している言語 / 複統語性 / 北東シベシア / 形態論 / モンゴル語 / チュクチ語 / コリャーク語 / ヌートカ語 / ナーナイ語 / ソロン語 / 民話 / 複統合的語 / ツングース諸語 / 分類辞典 / 民話集 / 民俗語彙 / 文法 |
研究概要 |
北東アジアからベーリング海峡を挟んでアラスカ、カナダ北西部へと分布する多くの先住民言語は、新旧両大陸の接点ともいうべき地理的位置からもうかがえるように、類型論的に多くの類似性を有し、両大陸の橋渡し的性質を共有している。本研究では、そのような性質の一つである複統合性に焦点をあて、記述言語学的立場での現地調査に基づき、類型論的比較研究をおこなうことを目的とした。 複統合性とは、一語の中に多くの形態素を含み、そのために語でありながら句や文に相当するような複雑な内部構造の形態的単位を形成する言語構造上の特性をさすが、とりわけ上述の地域にはこの特性を有する言語が数多く分布している。本研究では複統合的な言語が密集する北東シベリアから北アメリカ北部に至るまでの地域を対象に、複統合の手法の広がりと、その類型的ならびに系統的背景、あるいはこれに関連する様々な文法的事象について考察した。これらの言語はすべて消滅の危機に瀕した言語であることから、現地調査による一次資料の収集の必要性は、きわめて緊急性が高い。 4年間の研究を通じて、上記諸言語を対象として多くの資料を収集し、整理分析を進めた。また、その成果を学会誌、学術論文集に多く寄稿したり、国内外の学会で発表したりするなど、複統合性という言語学的にもきわめて重要なテーマに注目した類型論的比較研究に貢献することができた。また、辞書と民話テキストを数冊出版し、内外の研究者に貴重な資料を提供できただけでなく、先住民の学校、コミュニティにも寄贈し、先住民言語の記録保存、現地還元にも貢献することができた。 本報告書は、メンバー全員がそれぞれの対象言語について、主に形態論ならびに形態統語論に焦点をあてて論じた論文で構成されており、環北太平洋域に密集する諸言語の系統的・類型的多様性と言語間の相互関係を探る上でも、一般言語学における類型論的研究にも寄与することが期待される。
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