研究課題/領域番号 |
16320056
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
大城 光正 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (40122379)
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研究分担者 |
吉田 和彦 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90183699)
池田 潤 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (60288850)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
14,530千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2004年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 言語接触 / ヒッタイト語 / フルリ語 / 文小辞 / セム語 / 象形文字ルウィ語 / 楔形文字 / アナトリア語派 / 印欧祖語 / 中受動態 / 再帰小辞 / 楔形文字ルウィ語 / パラー語 / アッカド語 / セム租語 / 原郷 / 前接的接続詞 / 母音重ね書き / シュメール語 / 能格 / アッカド / 聖書ヘブライ語 / 接尾活用形 / アマルナ語 |
研究概要 |
古代オリエントの楔形文字言語間の言語接触は非常に多岐にわたっている。ヒッタイト語の前接的接続詞-maと非印欧語系のフルリ語-maの用法上の類似機能は両言語間の接触の結果と確証された。特に文化的に優位であったフルリ語からヒッタイト語への文化的言語的な流布の要因が考えられる。同様の通時的な様相は楔形文字言語のパラー語と後代の象形文字ルウィ語の文小辞-siにおいても確認される。このことはヒッタイト王国内の文字事情においても明確に反映されている。つまり、ヒッタイト語、パラー語、ハッティ語は楔形文字文書、後に移入してきたルウィ系の文書は象形文字資料という、民族固有の文字媒体の明確な類別使用に反映されている。また、ヒッタイト語の通時的な研究によって、古期ヒッタイト語のデータがすべて印欧祖語に遡るものではなく、中受動態語尾(*-tor,*-to)はアナトリア語派が祖語から離脱した後に形成されたものであり、また、ヒッタイト語の同語尾(-a>-ta、-a>-tta)の-ta語尾形はヒッタイト語の先史のそれほど古い段階の生起ではないことが理解される。さらに、セム諸言語間の言語接触の研究成果から、セム語の原郷を農耕可能な場所、しかも、民族移動に伴う言語接触の可能な地域という限定、つまり、多くの上位語が混在する地域(center of gravity model)であり、それは東セム系と西セム系が混在したメソポタミアかシリア・パレスチナに限定するものである。楔形文字言語間の接触を通して古代オリエント地域の諸々の言語の変遷、改新に大きな影響を与えていることが明白になった。以上の研究成果については、大城が主宰する西アジア言語研究会(毎年京産大で12月開催)で発表している。
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