研究課題/領域番号 |
16320059
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金水 敏 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70153260)
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研究分担者 |
渋谷 勝己 大阪大学, 文学研究科, 助教授 (90206152)
岡崎 友子 就実大学, 人文科学部, 講師 (10379216)
大鹿 薫久 関西学院大学, 文学部, 教授 (20127195)
高山 倫明 九州大学, 大学院人文科学研究院, 助教授 (90179565)
乾 善彦 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (30193569)
安部 清哉 学習院大学, 文学部, 教授 (80184216)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 日本語 / 歴史 / 統語論 / 音韻論 / 形態論 / 語彙論 / 意味論 / 文字・表記論 / 文字・表記史 / 文字・表記 |
研究概要 |
本研究では、伝統的な日本語史研究の成果と、最新の言語理論の調和を図り、今後の日本語史研究の方向性を見出すことを目的として、研究代表者・分担者・協力者による研究発表と討議を重ねた。またその成果として、『シリーズ日本語史』と題する叢書の企画・構成を行った。『シリーズ日本語史』は「音韻」「語彙」「文法」「日本語史のインタフェース」の4巻構成とすることとし、特に「日本語のインタフェース」では、日本語史資料を言語資料と見る際に、その生成過程に十分な注意を払う必要のあること、日本語史における社会言語学的視点を導入することの重要性、ステレオタイプ的表現と言語の実態を区別する必要のあること等を扱うこととした。 各研究代表者・分担者の、本研究に関わる成果は以下の通りである。金水およびその協力者は、統語論的観点を導入することにより、格助詞の発達・変化の過程や名詞句の構造変化の過程が鮮明に浮かび上がらせられることを示した。岡崎は、古代語ソ・サ系列の本質は「目に見えない対象を指示する」というものであったが、照応用法を残して他の用法が衰退したため、曖昧指示その他の用法が例外的に見えるということを示した。大鹿は、古代語の連体ナリの本質が「叙述性のない形式に叙述性を与える」ことであるということを示した。高山倫明は、和歌の「字余り」が、和歌の詠唱法に依存する問題であり、言語の本質的な声質には関与しない問題であることを示した。乾は、上代の様々な資料における和歌の表記の変異を整理し、仮名の成立と和歌の関連について考察した。渋谷勝己(大阪大学大学院文学研究科・助教授)は、日本語の可能形式の文法化について考察し、可能形式以外の表現から可能形式化した形式は、可能形式に止まったまま他の可能形式に道を譲る傾向が強いことを示した。安部清哉(学習院大学・文学部・教授)は、酸味を表す語彙の文献および方言資料からの収集・整理から、日本語基礎語彙の基本構造の一端を明らかにした。前田広幸(奈良教育大学・教育学部.助教授)は、生成音韻論、最適性理論等の日本語史における応用の可能性を示すとともに、平家物語譜本の音韻論的解釈について考察した。
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