研究分担者 |
壇辻 正剛 (檀辻 正剛) 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (10188469)
田地野 彰 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 教授 (80289264)
西山 教行 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 准教授 (30313498)
浅田 健太郎 (浅田 健太朗) 島根大学, 法文学部, 准教授 (50346045)
坪田 康 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助手 (50362421)
河上 B.J.志貴子 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助手 (00362418)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 900千円)
2007年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2006年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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研究概要 |
本研究では,「自律学習型CALL」教材の学習効果と動機づけの強化を中心に「自律学習型CALL」の支援環境について次のような諸点を明らかにした。 1.CALLで自律学習する学習者の動機づけをWeinerの原因帰属理論の枠組みで分析した。その結果,自律学習する学習者のほうが教師主導型授業の学習者よりフランス語学習に対する動機づけが強化されていることが部分的に明らかになり,CALLが自律学習に適していることを確認した。 2.DeciとRyanの「自己決定理論」の3つの心理的欲求の充足度に関して自律学習する学習者と教師主導型授業の学習者をNoels等が作成した質問紙を日本の学生用に手を加えて用いて比較した。その結果,自律学習する学習者の「有能感」,「自律感」,「他者受容感」という3つの心理的欲求の充足度は,「有能感」,「自律感」に関して教師主導型授業の学習者より高いことが明らかになった。しかし,3つの心理的欲求を満たすだけでは,必ずしも動機づけが十分に強化されないことも同時に明らかになった。 3.動機づけを強化する別の方法を明らかにするために,Eccles等が作成した「期待×価値理論」に基づく質問紙を用いて,英語学習とフランス語学習についてアンケート調査をした。得られた117の回答を分析した結果,フランス語学習は英語学習よりも「実用性」だけでなく「重要性」も学習者が低く認知していること,逆に「コスト」は高く認知していることが明らかになった。 このコストそのものを小さくすることは不可能なように思われる。課題に対して学習者が認知するコスト以外の3つの価値を高めれば,相対的にコストを小さくすることができ,動機づけを維持し,強化することができる可能性がある。今後は,この仮説に基づいて教材を作成し,実際に授業で用いて,仮説を検証する必要がある。
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