研究課題/領域番号 |
16320106
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大貫 静夫 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (70169184)
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研究分担者 |
後藤 直 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 名誉教授 (20292732)
秋山 進午 大手前大学, 人文科学部, 教授 (00126484)
谷 豊信 東京国立博物館, 文化財部列品課, 課長 (70171824)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 東北アジア / 古代史 / 牧羊城 / 燕 / 考古学 / 漢代 / 戦国時代 / 戦国秦漢時代 / 遼東郡 / 陵陽 |
研究概要 |
最近の弥生時代開始年代についての見直し論は、大陸側の歴史動態の理解とは切り離せないものであった。とくに中国中原地域と朝鮮半島、日本列島をつなぐ重要な地域である遼寧省の前一千年期の再検討が必要となった。 そのために、本研究課題では東大文学部考古学研究室が所蔵する、遼東半島所在の牧羊城出土遺物および関連する遺跡の遺物の再検討をおこなった。また、牧羊城を理解するために、遼寧省、河北省、山東省の古城址を踏査し、関連する資料の収集をおこなった。 城築城以前の土器である牧羊城1類土器の分析を通じて、西周時代から戦国時代にかけての遼東半島の歴史を見直した。その結果、遼東における青銅短剣の年代が全体として我が国の考古学者が従来考えていた年代よりは古くなることが判明した。それは、弥生開始年代が遡ることと一致する。 築城以後の土器である牧羊城2,3類土器は、その分析により、主体は漢代の土器であるが、一部の古いものは戦国時代前3世紀に遡ることが分かった。 牧羊城で出土した瓦はその分析によって、主なものは前漢時代のものであるが、一部は戦国時代に遡る古いものがあることが分かった。 以上の土器や瓦の研究から、牧羊城の築城年代は従来日本の研究者によって考えられていた漢代初期より古くなり、戦国時代後期に遡ることが明らかになった。牧羊城は戦国時代前3世紀に燕が遼東に進出したときに築いた城であり、漢代まで存続したのである。 史記に記された、戦国時代における燕の東方進出の実態は考古資料ではあまり分かっていなかったが、今回の牧羊城出土遺物の再検討により、その一部を明らかにすることができた。
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